水リスクマネジメント

水リスクマネジメントの方針

水資源は地域によって、需給バランスや取水可能な量、水質などが変わります。キオクシアグループは社外の専門家からの知見を得て、2040年までの水リスクを製造事業場ごとに分析することで、それぞれの地域に適した需給バランスや天災などのリスク把握に努めるとともに、必要な対策を進めています。

また国内の製造事業場で、周辺の河川から取水した際は、法規制より厳しい自主基準を設けて、排水時の環境負荷軽減に努めています。

水のマネジメント戦略

キオクシアグループでは、水に関する取り組みや指標を重要な経営要素に位置付けています。代表取締役社長が議長を務めるサステナビリティ戦略会議では水関連を含むサステナビリティ戦略・方針策定および達成度の確認を行った上で、最終的には取締役会に諮っています。
サステナビリティ戦略会議で策定された水関連を含むサステナビリティ戦略・方針は、サステナビリティ担当執行役員が委員長を務めるサステナビリティ推進委員会において、KPIの策定や討議を行っています。

執行役員を中心に環境について審議する環境マネジメントレビューにおいては、水に係るリスクや機会を考慮した社会動向や法令動向、環境中期計画も検討し、事業への影響と法令遵守状況を検証しています。

また、キオクシアグループは操業における水使用量が多いことから、工場新設の際には、水使用量の低減を促進する設備導入や洪水・台風被害を想定したBCP(Business Continuity Plan)等もサステナビリティ戦略会議の検討課題となります。

排水の監視体制

キオクシアの製造事業場では、操業に伴う大気や河川への影響を最小限に抑えるため、法規制よりも厳しい自主管理基準を設けて監視しています。

法規制の対象である窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)、全窒素(T-N)、全リン(T-P)、化学的酸素要求量(COD)、浮遊物質量(SS)、フッ素(F)、水素イオン指数(pH)については24時間連続自動監視をしています。法規制対象外の項目についても、管理強化のためサンプリングによる自主管理を行っています。

四日市工場では、工場内に分析センターを設置して、年間約38,000件のサンプルを分析しています。
2020年度も、排水に関する行政からの罰金・処罰はありませんでした。

排水の自主管理

法令・条例・協定の基準を確実に遵守するため、項目ごとに自主管理値を設定して日常管理しています。
下記は四日市工場の事例です。

排水中のCOD(化学的酸素要求量)濃度管理値(四日市工場)

法令 120mg/L以下、三重県条例 20mg/L以下、四日市市 公害防止協定 4.5mg/L以下、自主管理値 4.0mg/L以下、2020年度実績値 3.3 mg/L

水リスクの測定

キオクシアの製造事業場では水使用量が多いことから、現在および将来の水需給リスクなどの観点で、社外の専門家に委託し、世界資源研究所によるWRI Aqueductや世界自然保護基金によるWWF Water Risk Filterを用いて水関連リスク評価をしています。本評価を通じて、当社では2040年までの水ストレスの変動傾向や、季節による水供給変化量の変動などのリスクを分析し、事業活動への影響を把握するように努めています。

当社製造事業場において、2040年までの水需給リスク(季節変化、干ばつ頻度、水貯留力、水源地保護状況)、水災リスク(洪水、土砂災害など)、水質汚濁に対する流域脆弱性(公衆衛生や生態系リスク)などを調査した結果、事業に対して財務的もしくは戦略的に実質的な影響を与えうる水リスクには曝されていないことが確認されました。

水の目標と実績

キオクシアでは、取水に関する削減目標を2013年度基準のGB(ギガバイト)容量原単位で設定し、PDCAで管理しています。
2020年度の目標は25.5%以下と設定し、実績は24.8%で目標を達成しました。
今後も、節水とリサイクル促進の両面で、取水の削減目標を達成すべく活動を進めていきます。

水のリサイクル

キオクシアでは、資源有効利用のため、製造工場における水受入量と排水量を抑制する取り組みを展開しています。一例として、製造プロセスで使用した水を社内で回収再生し、再度工場内で利用しています。

2020年度の国内の製造事業場における水のリサイクル実績は、約26百万㎥(全水使用量の約53%相当)を回収・再利用し、水資源の有効活用ならびに、公共用水域の環境負荷低減に貢献しています。