ステークホルダーの皆さまへ

代表取締役社長メッセージ

「記憶」で世界をおもしろくする、
キオクシアグループは社会に価値を
提供し続けます

キオクシアホールディングス株式会社
代表取締役社長
早坂 伸夫

昨今、地球規模での気候変動や環境負荷などの環境問題、新たな感染症の脅威、さまざまな格差などの社会課題が増大し、持続可能な未来をつくるための根本的な解決策が求められています。

一方で、デジタル技術の発達は人々の生活に変革をもたらし、さまざまな社会課題の解決に貢献してきました。さらなる社会の発展のためにAI、IoT、ビッグデータなどの分野で技術的なイノベーションを創出していくことが期待されており、私たちが提供する半導体メモリは、デジタル社会を支えるために、必要不可欠なものになっています。

キオクシアグループの事業環境の観点から見ても、深刻化する気候変動への対応、より重要性を増してきている人権・多様性尊重への取り組み、さらには国際情勢の緊張化やそれに起因する地政学的リスクへの対応など、対処すべき課題がますます増えてきています。

このような社会の変化の中、キオクシアグループはサステナビリティを経営戦略の中で最も重要な取り組みの一つと位置付けています。2023年度は、当社グループの戦略マテリアリティ(サステナビリティ重要課題)への取り組みを継続推進し、それに基づいて設定したKPIの進捗を確認しました。また、これらのKPIを中期経営計画に織り込み、財務指標や事業計画と統合した経営計画を策定しています。

特に、脱炭素社会の実現は国際社会にとって喫緊の課題であり、私たちの事業においても、お客様をはじめとしたステークホルダーの皆さまから脱炭素への強い要請があります。当社グループは2050年度までに事業活動にともなう温室効果ガス排出、および購入エネルギー使用に起因する排出をネットゼロにするという目標を掲げていますが、この実現に向けて関連企業・団体との連携を深め、効果的に協働していくためにGXリーグ*1および半導体気候変動コンソーシアム*2に加盟しました。また、近年社会からの関心が高まっている人権デューデリジェンスや、人的資本経営についても事業の継続・発展に重要な要素として取り組みを深めていきます。

キオクシアグループが「『記憶』で世界をおもしろくする」というミッションのもと、パートナーの皆さまと共に、世界中の人々の暮らしをより豊かなものに変えて、創造的で心弾む世界の実現に貢献すべく、私が先頭に立ってサステナビリティへの取り組みを主導していきます。

*1 日本の産官学の協働により、グリーントランスフォーメーションを進め、2050年までにカーボンニュートラルの実現を目指す協働の場
*2 Semiconductor Climate Consortium(SCC)。半導体バリューチェーンにおける気候変動対策を進めるため、設立された企業コンソーシアム

サステナビリティ責任者のメッセージ

社会に価値を提供し続けるため、
キオクシアグループのサステナビリティを
推進します

キオクシアホールディングス株式会社
副社長執行役員
サステナビリティ責任者
渡辺 友治

キオクシアグループは、スマートフォン、サーバーをはじめ、多くの電子機器に不可欠な半導体メモリを供給し、世界中の人々の暮らしに利便性をもたらしてきました。今後も変化し続ける社会のニーズを把握し、サプライチェーンの改善、技術開発・革新を通して付加価値のある製品やサービスを提供することで、社会の発展に貢献していきます。

一方で、社会においては地球温暖化防止や人権の尊重など解決すべきさまざまな課題があります。それにともない、国連で採択された「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」やパリ協定で合意された温室効果ガス排出量削減への貢献、金融安定理事会により設置された「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」やグローバルサプライチェーンにおいて社会的責任を推進する企業同盟である「Responsible Business Alliance(RBA)」との連携など、企業に対する社会からの期待や要請が確実に高まりつつあります。

キオクシアグループにおいては、サステナビリティの取り組みを推進するにあたり、RBAのガイドラインに則り自社とサプライチェーンを通じた活動を行っています。また2023年度はサステナビリティ経営のさらなる浸透を目的に、四日市工場、横浜テクノロジーキャンパス(キオクシア株式会社)、北上工場(キオクシア岩手株式会社)の各拠点で、サステナビリティ課題の進捗を確認し、方向性を討議・決定するための会議体を立ち上げ、サステナビリティ活動の強化を行っています。

気候変動に関しては、私たちの半導体事業に対しての社会的関心も高く、それに応えるべく、キオクシアグループの生産拠点において、従来からPFC等ガス除害装置の設置を積極的に進めていることに加え、製造新棟では、最新の設備、生産管理におけるAIやIoT技術の導入により、省エネルギーで高効率な生産プロセスを実現し、環境負荷の低減に努めています。また、再生可能エネルギーの活用を推進するために2022年度から継続して、当社グループ工場の建屋に屋上型太陽光発電システムの導入を進めました。太陽光発電設備能力約7.5MW(対前年208%)は、国内半導体工場で最大級の規模*1となり、さらに2024年度以降も引き続き導入を進めていきます。

私たちは法令や社会規範を遵守することはもちろん、社会に「記憶」で価値を創りだすために、今後もステークホルダーの皆さまに信頼されるキオクシアグループを目指し、サステナビリティ活動に真摯に取り組んでまいります。

*1 2023年11月現在(当社調べ)