製品を通じた環境貢献

キオクシアグループが提供するフラッシュメモリやSSD製品は、多種多様なアプリケーションに組み込まれ社会で活用されています。当社グループは、製品製造時における製品の容量あたりのCO2排出量削減や、お客様でのエネルギー消費効率に貢献する製品の提供を含め、製品ライフサイクルのあらゆるステージで環境負荷低減に努めています。

近年、AIやIoT、自動運転の技術革新が加速する中で、フラッシュメモリやSSD製品の大容量化および高速化へのニーズが高まっています。当社グループはフラッシュメモリの高集積技術開発による大容量化を推進することにより、製品製造時における容量あたりのCO2排出量削減に取り組んでいます。具体的には、製品製造時に製品の容量あたりの使用する電力量や材料を低減しています。また、製品使用時には1GB(ギガバイト)処理あたりのエネルギー消費効率を向上しています。
一方、普及が進んでいる第5世代移動通信システム(5G)においても、従来よりも高速で大容量のデバイスが必要になることから、環境面ではこれらの需要にともなう電力消費の増加が懸念されています。そのため、エネルギー消費効率の高い大容量フラッシュメモリや高スループット(単位時間あたりのデータ処理量が大きい)SSDの使用が、幅広い分野でますます拡大すると想定しています。当社グループは低炭素社会の実現に貢献するため、これからも技術開発によるエネルギー消費効率向上と大容量化を最重要課題として推進していきます。

キオクシアグループ製品の環境貢献分野

製品のエネルギー消費効率向上の目標

キオクシアグループは製品のエネルギー消費効率のさらなる向上を進めています。具体的には、2017年度を基準としたメモリ・SSD製品の1GB処理あたりのエネルギー消費量を2025年度までに50%削減するという高い目標を掲げています。
2022年度は、NAND型フラッシュメモリの高集積化および高速化、自社における最適なコントローラの設計開発により、1GB処理あたりのエネルギー消費量を2017年度比で約27%削減することに成功し、2025年度までの目標達成に向けて大きく前進しています。

目標:製品のエネルギー消費効率の向上

エネルギー効率の改善目標:2017年度を基準とした1GB処理あたりのエネルギー消費量を2025年度までに50%削減 エネルギー効率の改善目標:2017年度を基準とした1GB処理あたりのエネルギー消費量を2025年度までに50%削減

製品使用時におけるエネルギー消費効率向上の事例

車載機器向けUFS Ver. 3.1準拠の組み込み式フラッシュメモリ

キオクシア株式会社は、車載機器向けのJEDEC UFS*Version 3.1インターフェースに準拠した組み込み式フラッシュメモリ(UFS製品)を製品化しました。256GBの製品では、同社の前世代製品*2に比べて最大シーケンシャルリード(連続したデータ読み出し)性能で約2倍、最大シーケンシャルライト(連続したデータ書き込み)性能で約4倍の高速化を実現し、1GB処理あたりのエネルギー消費効率はそれぞれ約35%、約70%向上しています。また、同社の前世代製品に比べて、製品本体の高さは0.1mm低く、容積は約7.7%削減し、省資源化にも寄与しています。
自動車のインフォテインメントシステム*3やADAS*4の高機能化や外部との通信の増加にともない、車載機器に搭載されるストレージ容量は増加の一途をたどっており、本製品は最大容量として512GBまで対応しています。
同社は、複雑化する車載機器に要求される高性能のストレージとして、ドライバー体験を向上させるさまざまな車載アプリケーションの開発、および製品使用時のエネルギー消費効率向上にも貢献します。

車載機器向けUFS Ver. 3.1準拠の
組み込み式フラッシュメモリ
  • *1 UFS (Universal Flash Storage):JEDECが規定する組み込み式フラッシュストレージの標準規格。シリアルインターフェースを採用し、全二重通信を用いているため、ホスト機器との間でのリード・ライトの同時動作が可能です。
  • *2 同社前世代256GBの製品型番「THGAFBT1T83BAB5」。
  • *3 運転に関わる情報(インフォメーション)と、映像などの娯楽(エンターテインメント)の提供を一体化したシステム。
  • *4 Advanced Driver-Assistance Systems。先進運転支援システム。
  • 本製品の表示は搭載されているフラッシュメモリに基づいており、実際に使用できるメモリ容量ではありません。メモリ容量の一部を管理領域等として使用しているため、使用可能なメモリ容量(ユーザー領域)はそれぞれの製品仕様をご確認ください。
  • リードおよびライト性能は同社の試験環境で特定の条件により得られた最良の値であり、ご使用機器での速度を保証するものではありません。リードおよびライト性能は使用する機器等の条件により異なります。
  • 社名・商品名・サービス名などは、それぞれ各社が商標として使用している場合があります。

次世代高速インターフェースPCIe® 5.0に対応したエンタープライズSSD

キオクシア株式会社は、高性能サーバーやストレージシステム用に、次世代高速インターフェースPCIe® 5.0対応に向けたエンタープライズSSD 「KIOXIA CM7シリーズ」の量産を開始しました。

本製品は、PCIe® 5.0(Gen5 シングルポート4 laneおよびデュアルポート2 lane)、NVMe™ 2.0に準拠しており、業界最速クラス*5の最大14GB/sのシーケンシャルリード性能を実現しています。これにより、同社の前世代エンタープライズSSD*6に比べて最大シーケンシャルリード性能で約2倍、最大シーケンシャルライト性能で約1.7倍の高速化を実現し、15.36TB*7製品での1GB処理あたりのエネルギー消費効率はシーケンシャルリード時で約30%、シーケンシャルライト時で約25%向上しました。

また本製品は、次世代のフォームファクターとして期待されるEDSFF(Enterprise and Datacenter Standard Form Factor)E3.S(イー・スリー・ドット・エス)で最大15.36TB、従来の2.5インチ型*8では最大30.72TBまでの容量ラインアップをそろえています。

同社は業界に先駆けてさらに高速の次世代SSDを投入することにより、業界におけるリーダーシップを拡大するとともに、OEMメーカーでの高性能アプリケーションの開発、および製品使用時のエネルギー消費効率向上にも大きく貢献します。

エンタープライズSSD
「KIOXIA CM7シリーズ」
  • *5 2023年12月1日現在のエンタープライズ向けSSDとして。同社調べ。
  • *6 KIOXIA CM6シリーズ。
  • *7 記憶容量:1ギガバイト(1GB)=1,000,000,000(10の9乗)バイト、1テラバイト(1TB)=1,000ギガバイト(GB)による算出値です。一方、1GB=1,073,741,824(2の30乗)バイトによる算出値をドライブ容量として用いるコンピューターオペレーティングシステムでは、記載よりも少ない容量がドライブ容量として表示されます。ドライブ容量は、ファイルサイズ、フォーマット、セッティング、ソフトウェア、オペレーティングシステムおよびその他の要因で変わります。
  • *8 2.5インチ型、U.3接続においては、PCIe® Gen4転送速度に制限されます。
  • 読み出しおよび書き込み速度は、ホストシステム、読み書き条件、ファイルサイズなどによって変化します。
  • PCIeは、PCI-SIGの登録商標です。
  • NVMeは、NVM Express, Inc.の米国またはその他の国における登録商標または商標です。
  • その他記載されている社名・商品名・サービス名などは、それぞれ各社が商標として使用している場合があります。