人材育成

キオクシアグループは、多様な従業員がそれぞれの能力を発揮して活躍できるよう、人材の育成・活用に力を注いでいます。

人材育成の基本方針

人材はキオクシアグループの競争力の源泉です。従業員一人ひとりが、挑戦し続け、新しい価値を創造することが、当社グループのミッションである「『記憶』で世界をおもしろくする」を実現することにつながるという考えのもと、教育体系の強化を図るとともに、一人ひとりの挑戦をサポートするための仕組みづくりを推進します。

人材育成の体制

キオクシア株式会社は2022年度に、人材の育成・活用のいっそうの推進を図るため、人事総務部に人材開発グループを設置しました。なお、代表取締役社長を委員長とした教育委員会では、社内における教育について、実績を踏まえた改善提案や、事業計画を踏まえた翌年度の方針を審議しています。教育委員会の議論は、新しい教育施策に反映しています。

Topic:人事制度の改革

キオクシアグループでは、一人ひとりが能力を発揮できる仕組みづくりに取り組んでいます。
国内グループでは人材戦略の一環として、従業員一人ひとりが挑戦し続ける環境づくりのため、「活躍する人材像の明確化」「挑戦を阻害する仕組みの撤廃」「透明性のある処遇・報酬」「多様な挑戦のサポート」の4つの視点で、2022年4月から人事制度改革を推進しています。具体的には、人事評価の見直しや在宅勤務の制度化、役職定年の廃止を行いました。
キオクシアグループは、今後も一人ひとりの挑戦や成長が、事業の持続的な成長につながり、新しい価値やイノベーションが生まれる職場環境づくりを目指します。

人材育成のための教育体系

教育制度

キオクシアグループでは、従業員が共通して持つべきベースを確立するための教育制度と、個々のニーズとキャリア特性に応じたプログラムを用意しています。さらに、従業員の自発的な知識・スキル取得を促すため、自己啓発を支援するツールを提供しています。

国内グループにおける主な教育区分

教育の区分

概要

基礎教育*1

働く上での共通ベースであるキオクシアグループ行動基準やこれに則した価値観を身に付けるために、コンプライアンスやサステナビリティについて学びます。キオクシアグループ行動基準は、日本語、英語、繁体字、簡体字、韓国語で展開しています。

グローバル教育

「グローバル人材(自国/地域の業務のみだけでなく、グローバルなステークホルダーとコミュニケーションを取り、異文化を受容しながら業務を遂行できる人材)」を育成するための教育です。

階層別教育

新たな役割(リーダー・管理職など)に任命された時に必要となる基本知識・スキル、マネジメント力の向上を図るための研修です。また、継続的に管理職に必要なマネジメント力の向上を図る研修や、グローバルビジネスで必要な知識・スキルの早期習得を目的とした教育も含みます。

職種別教育(部門別教育)

職種・部門別にそれぞれの従業員のキャリア段階に応じて、必要な知識・スキルの習得を目的として実施する教育です。

経営人材教育

経営幹部候補者・将来のリーダー候補者を育成する選抜型の教育です。

自己啓発支援

従業員の自主的な知識・スキル取得促進のため、マネジメント(組織、戦略・マーケティング、目標管理・人事評価、サステナビリティ・コンプライアンス、労務・メンタルヘルス、顧客満足・営業、キャリア、ビジネススキル、教養)、PCスキル、語学等、約190のメニューをe-ラーニングにて提供しています。

  • *1 基礎教育:キオクシアグループにおける基礎教育の一環として、キオクシアグループ行動基準の理解促進のための各種教育を実施しています。2022年度の国内グループにおける従業員の受講率は100%でした。

共通研修受講状況(2022年度、国内グループ)

選抜型・必須型

自己啓発型

プログラム数

13

187

総受講者数(のべ)

115,070

1,346

総受講時間(のべ)

137,075

1,422

キオクシア株式会社の共通教育

  • *2 就業時間外の語学教育などの自己啓発を含みます。

技術教育

キオクシアグループは、技術者の育成を積極的に実施しています。国内グループの新人社員には、自己成長に欠かせない、電気電子、半導体の基礎、情報処理やストレージシステムの基礎、ものづくり研修、統計、AIや機械学習等の技術的素養を高める教育を行っています。
また、各職場ではメンターの下、職場内教育であるOJT(On the Job Training)や部門内のさまざまな教育により、一人ひとりのキャリアに合わせて細やかに指導しています。さらに、開発を担うエンジニア向けには、業務を学びながら、最先端の技術に関する知識やスキル習得を目的とした多様な専門技術教育を実施しています。各自がメンターと会話をしながら、自発的に何が必要かを考え学んでいける職場環境も整えています。

技術の継承

高度な専門知識やノウハウの継承のため、キオクシア株式会社では2019年に「フェロー*3」の役職を新設しました。フェローは、デバイス・プロセスの基礎研究、コンピュータシステム、シミュレーション、先端のメモリ開発という幅広い分野で活躍しており、学会や業界団体等での活動を通じて、半導体技術の発展と次世代への技術の継承に尽力しています。

  • *3 2022年4月に「技監」に変更しました。

キャリア形成を支援する制度

キオクシアグループは、従業員一人ひとりを育成することを目的に、キャリア形成を支援しています。キオクシア株式会社では、年に一度、従業員が上長と長期的なキャリア形成の方向性を話し合い、中期的に到達すべき能力基準や育成・活用方法を共有する「キャリアデザイン制度」、半年ごとに今後半年間の業務内容と過去半年間の業務成果について上長と確認する「パフォーマンスマネジメント制度」などを導入しています。

海外大学・研究機関への派遣

キオクシア株式会社では、従業員一人ひとりの挑戦をサポートする仕組みの1つとして、留学制度を設けています。マサチューセッツ工科大学やカリフォルニア大学サンディエゴ校など、海外の大学・大学院・研究機関などへの派遣を通じて、従業員がより知識や技能を高める機会を提供しています。

従業員エンゲージメント調査

キオクシアグループは、従業員一人ひとりのエンゲージメントを高め組織の活性化を図る出発点として、従業員エンゲージメント調査を定期的に実施しています。従業員のエンゲージメントレベルを把握し、課題領域を特定し、その課題解決のための施策の立案・実施に役立てています。
2022年度は、国内外グループ従業員約14,000人を対象に無記名調査を実施し、89%の従業員から回答を得ました。

キオクシア株式会社*4では、本調査の結果について、代表取締役社長、執行役員および全部門長と共有し、従業員エンゲージメントの向上に活用しています。2022年度は、前年度の本調査で従業員から寄せられた声をもとに顕在化した課題について、改善に取り組みました。具体策としては、会社の方向性に関する経営幹部からの分かりやすいメッセージの発信や、経営幹部と従業員の対話を通じた意見交換の機会を増やすこと、職場ミーティングにおける本調査結果の共有や改善策の話し合い、決定等です。これらを通して、職場環境の改善や、働きがいがあり、働きやすい組織風土の醸成に努めています。

  • *4 キオクシアホールディングス株式会社への出向者を含みます。

従業員エンゲージメント調査の実施サイクル

キオクシアグループでは、さまざまな職種で多様な 人材が個々の強みを活かして働いています。