キオクシアグループでは、さまざまな職種で多様な人材が個々の強みを活かして働いています。
人材育成
キオクシアグループは、多様な従業員がそれぞれの能力を発揮して活躍できるよう、人材の育成・活用に力を注いでいます。
人材育成の基本方針
人材はキオクシアグループの競争力の源泉です。従業員一人ひとりが挑戦し続け、新しい価値を創造することが当社グループのミッションである「『記憶』で世界をおもしろくする」を実現することにつながるという考えのもと、教育体系の強化を図るとともに、一人ひとりの挑戦をサポートするための仕組みづくりを推進します。
人材育成の体制
キオクシア(株)では、人材の育成・活用のいっそうの推進を図るため、人事総務部に人材開発グループを設置しています。なお、代表取締役社長を委員長とした教育委員会では、毎年社内における教育について、実績を踏まえた改善提案や、事業計画をもとに、次年度の方針を審議しています。また、教育委員会の議論は、新しい教育施策に反映しています。
人材育成のための教育体系
教育制度
キオクシアグループでは、従業員が共通して持つべきベースを確立するための教育制度と、個々のニーズとキャリア特性に応じたプログラムを用意しています。さらに、従業員の自発的な知識・スキル習得を促すため、自己啓発を支援するツールを提供しています。2024年度は、自己啓発支援のツールやメニューを拡充しました。
国内グループ会社における主な教育区分
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教育の区分 |
概要 |
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基礎教育*1 |
働く上での共通ベースであるキオクシアグループ行動基準やこれに則した価値観を身につけるために、コンプライアンスやサステナビリティについて学びます。キオクシアグループ行動基準は、日本語、英語、中国語繁体字、中国語簡体字、韓国語で展開しています。 |
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グローバル教育 |
グローバル人材(自国・地域の業務のみだけでなく、グローバルなステークホルダーとコミュニケーションをとり、異文化を受容しながら業務を遂行できる人材)を育成するための教育です。 |
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階層別教育 |
新たな役割(リーダー・管理職など)に任命された時に必要となる基本知識・スキル、マネジメント力の向上を図るための研修です。また、継続的に管理職に必要なマネジメント力の向上を図る研修や、グローバルビジネスで必要な知識・スキルの早期習得を目的とした教育も含みます。 |
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職種別教育(部門別教育) |
職種・部門別に、それぞれの従業員のキャリア段階に応じて、必要な知識・スキルの習得を目的として実施する教育です。 |
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経営人材教育 |
経営幹部候補者・将来のリーダー候補者を育成する選抜型の教育です。 |
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自己啓発支援 |
従業員一人ひとりが自ら学び続け、価値を生み出す組織文化を醸成するため、ビジネススキルやマネジメント、AI・DX(デジタルトランスフォーメーション)、プログラミング、語学を含む、約4,000の豊富な動画学習コンテンツを提供しています。 |
- *1 基礎教育:キオクシアグループにおける基礎教育の一環として、キオクシアグループ行動基準の理解促進のための各種教育を実施しています。2024年度の国内グループ会社における従業員の受講率は100%でした。
共通研修受講状況(2024年度、国内グループ会社)
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選抜型・必須型*2 |
自己啓発型 |
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|---|---|---|
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プログラム数 |
13 |
1,681 |
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総受講者数(延べ) |
111,927 |
5,780 |
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総受講時間(延べ) |
123,606 |
2,845 |
- *2 選抜型・必須型は、基礎教育、階層別教育が対象です。
キオクシア(株)の共通教育
- *3 就業時間外の語学教育などの自己啓発を含みます。
技術教育
キオクシアグループは、技術者の育成に積極的に取り組んでいます。国内グループ会社の新人社員に、技術者として必要な素養を高めるための基礎研修(電気電子、半導体の基礎、情報処理やストレージシステムの基礎、ものづくり研修、統計、AIや機械学習など)を実施しています。 入社2年目以降の技術者には、開発に必要な専門技術講座を提供しています。
また、各職場では、メンターのもと、職場内教育であるOJTや部内の各種研修により、一人ひとりのキャリアに合わせてきめ細かに指導しています。さらに、一人ひとりが技術者として自発的にキャリアを形成できるように、必要な学習を促進する職場環境づくりに取り組んでいます。
キャリアをスタートした技術者は、個々のニーズとキャリア特性に対応したプログラム、自己啓発支援を通じて、自身の技術素養を強化しながら技術のスペシャリストを目指します。その先には、ビジネスと技術をつなげるジェネラリストへの道と、技術と技術をつなげ新たな価値を生み出すプロフェッショナルとその頂点である技監への道があります。
技監メッセージは以下をご覧ください。
キャリア形成を支援する制度
キオクシアグループは、従業員一人ひとりの育成およびキャリア形成を支援しています。キオクシア(株)では、年に一度、従業員が上長と長期的なキャリア形成の方向性を話し合い、中期的に到達すべき能力基準や育成・活用方法を共有する「キャリアデザイン制度」、半年ごとに、今後半年間の業務内容と過去半年間の業務成果について上長と確認する「パフォーマンスマネジメント制度」などを導入しています。
海外大学・研究機関への派遣
キオクシア(株)では、従業員がより高度な専門性を持ち、グローバルに活躍することをサポートする仕組みの一つとして、留学制度を設けています。米国・マサチューセッツ工科大学やカリフォルニア大学サンディエゴ校など、海外の大学・大学院・研究機関などを対象にしており、2024年度は、本制度を通じて2名の従業員を派遣しています。
キャリア形成のための休職制度
キオクシア(株)では、2023年度から、従業員が自律的にキャリア形成やリスキリングに取り組むことができる休職制度を導入しました。職務と関連する専門性の向上、MBA取得を含むマネジメントスキルの向上を目的に、大学・大学院およびこれに準ずる教育研究機関において、スキルアップを図ることを支援します。
従業員エンゲージメント調査
キオクシアグループが競争力を高め社会と共に成長していくには、従業員一人ひとりのエンゲージメントの向上が不可欠です。従業員エンゲージメントを高め組織の活性化を図るための出発点として、当社グループでは従業員エンゲージメント調査を定期的に実施しています。本調査の結果や従業員の声をもとに、課題を特定し、より良い職場環境を実現するための施策の立案・実施に役立てています。
2024年度に実施した調査では、キオクシアグループ従業員約14,800人を対象に無記名方式で実施し、88%の従業員から回答を得ました。
キオクシアグループ*4では、本調査の結果について、代表取締役社長、執行役員および部門長に報告し、従業員エンゲージメントの向上に活用しています。2024年度は、前回の調査で判明した課題の一つである、「経営幹部と従業員のコミュニケーション」をさらに深める一環として、キオクシア(株)では、経営幹部と従業員の対話集会を3回実施しました。さらに、今回の調査結果を従業員にフィードバックするとともに、浮き彫りになった課題について、全社での取り組みや職場でのアクションについて対策を進めています。
今後も、本調査を継続的に実施し、職場環境の改善や、働きがいがあり、働きやすい組織風土の醸成に努めていきます。
- *4 キオクシアホールディングス(株)への出向者を含みます。
従業員エンゲージメント調査の実施サイクル