キオクシア(株)は、2024年8月、子どもたちが科学に触れ、科学への興味・関心を高めることを目的に開催された「四日市こども科学セミナー」に出展しました。
「実感サイエンス『ものづくりのまち四日市』」と題するセミナーパートでは、同社は約120名の小学生を対象に、「キオクのひみつ」をテーマとして、メモリの仕組みの紹介、記憶にまつわるクイズ出題などを行いました。参加した子どもたちは積極的にクイズに答えるなど、大変盛り上がりました。VR(バーチャルリアリティ)ゴーグルを使った、ものづくりの現場であるクリーンルーム体験に特に人気が集まり、目を輝かせながら興味津々にゴーグルをあちらこちらへ向ける子どもたちの姿が多く見られました。
地域社会の発展支援
基本的な考え方
キオクシアグループは、社会課題解決への貢献はもちろんのこと、地域社会との共生が良き企業市民としての責務と考えています。「記憶」の技術で社会を豊かにすることを目指して、地域社会や政府・自治体、NPO・NGO、学術機関などと対話しながら、当社グループの技術や製品・サービス、ノウハウ、従業員などの資源を活かして、地域社会の課題に取り組みます。特に、事業を展開する地域社会の活性化、および科学分野における次世代の人材育成に注力しています。
推進体制
キオクシアグループでは、各社・各拠点の総務部門が地域貢献活動を担当しています。事業活動を展開している各地域において、地域社会と積極的にパートナーシップを築き、地域に根差した活動を実施するとともに、従業員の社会参画も促進しています。
ボランティア活動に利用可能な休暇制度
キオクシア(株)では、積立休暇制度を導入し、従業員の地域貢献活動への参加を支援しています。従業員は積み立てた年次有給休暇(最大25日)を地域貢献活動などに活用できます。
主な活動実績(2024年度)
次世代の理系人材育成への貢献
キオクシアグループは、その強みを活かして科学分野における地域貢献活動に注力しています。将来を担う若者が科学技術やものづくりに興味を持ち、優秀な技術者を志すことを支援するべく、さまざまな体験の場を提供しています。2024年度は、理科の出前授業や、ワークショップ、講義などを各地で実施しました。
四日市こども科学セミナーへの出展
岩手県の小学生プログラミング教育を支援
キオクシア岩手(株)は、2020年より文部科学省が主導する岩手県の小学生プログラミング教育を支援しています。
2024年8月には、同社を会場にして「小学生プログラミング体験教室」を開催し、「プログラミングに興味があるけれど、コンテストの参加方法や作品のつくり方がわからない」といった子どもたち向けに、12月のプログラミングコンテストへのエントリーを後押しするイベントを実施しました。当日は工場見学も行い、43名の小学生にプログラミングやものづくりをより身近に感じてもらいました。運営の支援に携わった従業員からは、「子どもたちの実力に驚かされた」という声が寄せられました。
今後も同社は、小学生ならではの自由な発想や創意工夫が未来のものづくりやさまざまな分野の発展につながると考え、この活動を支援していきます。
四日市市立中学校への出前授業
キオクシア(株)は、2008年度から四日市市教育委員会と連携して、出前授業を行っています。社会課題となっている子どもの「理科離れ」や教育現場における「キャリア教育」のニーズを背景に、同社従業員の授業を受けることにより、中学生に理科や科学に興味を持ってもらうことを目的としています。
2024年度は、山手中学校の中学生約400名に対して、「会社のお仕事」をテーマに出前授業を行いました。同社は、VRゴーグルを着用したクリーンルームのバーチャル見学を交えながら、半導体の製造工程や、工場ではどのような業務があるのかを紹介しました。また、生徒はウエハー*1を手にとり、クリーンスーツを着用した作業を体験しました。さらに、自身のキャリアを考えるきっかけとしてもらうべく、同社の技術者が実際に取り組んでいる環境課題の一つである廃棄物の削減について「自然環境の保全と科学技術の利用」をテーマにワークショップを実施しました。
- *1 ウエハー:半導体チップの基盤材料となるシリコン結晶の円盤
「女子中高生夏の学校」への出展とキャリア形成支援
女性活躍推進活動の一環として、キオクシア(株)は2018年から、国内最大級の女子中高生の理系進路選択支援事業「女子中高生夏の学校(夏学)*2」に出展しています。
2024年、同社は「ポスターとキャリア相談」のプログラムに参加しました。「『フラッシュメモリの秘密』を探検しよう!」をテーマに、フラッシュメモリが身近な生活においてさまざまな形で利用されていることやその仕組みを説明しました。さらに、同社の女性技術者が自身のキャリアを紹介しました。
約60名の女子中高生からキャリア形成、企業選択の動機など、進学やキャリアに関する質問を受けました。同社の女性技術者は、自身の経験に基づいて半導体のものづくりの最前線で働く楽しさ、魅力などを伝えるとともに、参加者の将来のキャリアについてアドバイスしました。
今後も同社は、理系進学を目指す中高生のキャリア相談を積極的に行っていきます。
- *2 「女子中高生夏の学校(夏学)」は、女子中高生夏の学校実行委員会(2018年)、独立行政法人国立女性教育会館(NWEC、2018年、2019年)、NPO法人女子中高生理工系キャリアパスプロジェクト(GSTEM-CPP、2019年~)が主催する女子中高生の理系進路選択支援事業です。
理系女性活躍推進のための寄附
STEM(Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学))分野における女性の活躍を広げていくためには、女子学生がSTEM分野に興味を持つ機会や進学後にキャリアパスを考えるための情報を提供することが重要です。
キオクシアホールディングス(株)は、2024年度、東京大学物性研究所などが主催する女子中高生の理系進路選択を応援するための「未来をのぞこう!」、物理分野に進学した女子学生・大学院生のキャリアパスやネットワークづくりを支援するための「やっぱり物理が好き!」、物性科学分野において女性研究者、大学院生の活躍をサポートするための「ISSP Women’s week」の各イベントの趣旨に賛同し寄附をしました。これらのイベントには多くの学生や研究者が参加し、参加者同士の交流機会になりました。
東北地域の大学などとキオクシア岩手(株)の教育連携
キオクシア岩手(株)は、2019年に岩手大学との教育連携を開始しました。2024年度は秋田大学、山形大学と岩手県の高等専門学校、高等学校にも拡大し、約700名に対して半導体関連の講義を実施しました。講義では、半導体産業の発展の歩み、半導体のテクノロジードライバー*3であるロジックデバイスの細分化技術、メモリデバイスの三次元化技術を紹介し、活発な意見や質問が飛び交いました。
産学相互発展のため、今後も半導体産業の魅力を伝える機会を拡大するとともに、次世代人材育成に貢献していきます。
- *3 次世代の機器や、製造技術の開発を推し進める最先端のプロセスや生産技術
大学院などでの教育連携
国内グループ会社では、若手科学技術者の育成を目的に、大学院などで教育を実施しています。
キオクシア(株)では、2019年度に電気通信大学と包括連携協定を結び、人材交流を通じて技術者の育成、および研究活動に協力し、半導体メモリと半導体製造に関連する科学技術の発展に貢献することを目指しています。2024年度は、同社技術者が客員教授として、情報理工学研究科の修士・博士課程の学生約100名を対象に、「情報メディアシステム(データマイニング)」の講座を開催しました。
また、東京大学では「生成AIを支える半導体ストレージ」、東京科学大学では「キオクシアにおけるAIの活用と研究開発」などの講座を実施しました。さらに、一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)半導体部会主催の講演会・講義に講師を派遣しました。2024年度に全国の大学院などで実施した講座は125回、受講者は約3,600名に及びます。同社はこのような教育機関との連携を通じて、優秀な技術者を継続的に社会に輩出し、工学分野の発展および半導体産業の発展を目指しています。
その他の地域社会の課題解決への貢献
キオクシアグループは、その他、事業を展開する地域社会が抱える課題やニーズに応じて、地域貢献活動を実施しています。
チャリティーランを通じた寄付活動:キオクシアヨーロッパ社
キオクシアヨーロッパ社は2024年も、従業員の健康増進とチームビルディング、地域貢献を目的としたチャリティーランイベント「B2Run」に参加しました。
B2Runのビジョンは「スポーツと健康意識を通じて団結した社会を実現すること」、またミッションは「人々が共に活動する環境をつくることを通じて、社会における長期的な健康、チームビルディング、モチベーションをサポートすること」です。本イベントは、ドイツのデュッセルドルフで6kmのイベントとして開催され、完走者は14,500名に上りました。
キオクシアヨーロッパ社からは、従業員14名から成るランニング・チームが参加しました。また同社は、チャリティースターター(慈善目的のために参加する団体)として参加費用の中から1人当たり5ユーロをB2Runを通じてドイツ骨髄バンク(DKMS)に寄付しました。
若き才能を支える地域の文化交流:Solid State Storage Technology Corporation(以下、SSSTC)
台湾のSSSTCは2024年6月8日に、台北のEslite Performance Hallにて、芸術・文化の発展への貢献を目指した文化交流イベントを開催しました。本イベントは、台湾の次世代の音楽家の育成に取り組む「One Song Orchestra」との協働により実施されました。
10名のSSSTC従業員がボランティアとしてイベント運営に参加し、25名の若手音楽家にパフォーマンスの機会を提供しました。来場者は、お客様、取引先、従業員およびその家族を含む353名に上り、音楽を通じた感動と交流を分かち合いました。
SSSTCは、今後も次世代アーティストの支援を通じて、地域社会とのつながりを深めていきます。
キオクシア(株) 四日市工場、キオクシア岩手(株)、SSSTCの地域貢献活動はこちらをご覧ください。