キオクシア株式会社は、2023年8月、子どもたちが科学に触れ、科学への興味・関心を高めることを目的に開催された四日市こども科学セミナーに出展しました。
「実感サイエンス『ものづくりのまち四日市』」と題するセミナーパートでは、同社は約120名の子どもを対象に、「メモリのひみつ」をテーマとして、メモリの仕組みの紹介、記憶にまつわるクイズ出題などを行いました。参加した子どもたちは積極的にクイズに答えるなど、大変盛り上がりました。VR(バーチャルリアリティ)ゴーグルを使った、ものづくりの現場であるクリーンルーム体験に特に人気が集まり、目を輝かせながら興味津々にゴーグルをあちらこちらへ向ける子どもたちの姿が多く見られました。
地域社会の発展支援
基本的な考え方
キオクシアグループは、社会課題解決への貢献はもちろんのこと、地域社会との共生が良き企業市民としての責務と考えています。「記憶」の技術で社会を豊かにすることを目指して、地域社会や政府・自治体、NPO・NGO、学術機関などと対話しながら、当社グループの技術や製品・サービス、ノウハウ、従業員などの資源を活かして、地域社会の課題に取り組みます。特に、事業を展開する地域社会の活性化、および科学分野における次世代の人材育成に注力しています。
推進体制
キオクシアグループでは、各社・各拠点の総務部門が地域貢献活動を担当しています。事業活動を展開している各地域において、地域社会と積極的にパートナーシップを築き、地域に根差した活動を実施するとともに、従業員の社会参画も促進しています。
ボランティア活動に利用可能な休暇制度
キオクシア株式会社では、長期休暇制度を導入し、従業員の地域貢献活動への参加を支援しています。従業員は積み立てた年次有給休暇(最大25日)を地域貢献活動などに活用できます。
主な活動実績(2023年度)
次世代の理系人材育成への貢献
キオクシアグループは、その強みを活かして科学分野における地域貢献活動に注力しています。将来を担う若者が科学技術やものづくりに興味を持ち、優秀な技術者を志すことを支援するべく、さまざまな体験の場を提供しています。2023年度は、理科の出前授業や、ワークショップ、講義などを各地で実施しました。
四日市こども科学セミナーへの出展

岩手県の小学生プログラミング教育への協賛
キオクシア岩手株式会社は、文部科学省が主導する岩手県の小学生プログラミング教育に協賛しています。
2023年8月に岩手県北上市で開催された小学生プログラミング体験教室には、同社の従業員が運営の支援に携わりました。参加した従業員からは、「子どもたちの実力に驚かされた」、「プログラミングが広く浸透してきていることを改めて実感した」という声が寄せられました。今後も同社は、小学生ならではの自由な発想や創意工夫が、将来のものづくりやさまざまな分野の発展につながると考え、この活動を支援していきます。

四日市市立中学校への出前授業
キオクシア株式会社は、2008年度から四日市市教育員会と連携して、出前授業を行っています。社会的な課題となっている子どもの「理科離れ」や教育現場における「キャリア教育」のニーズを背景に、同社従業員の授業を受けることにより、中学生に理科や科学に興味を持ってもらうことを目的としています。
2023年度は、中部中学校の中学生約90名に対して、「会社のお仕事」をテーマに出前授業を行いました。同社は、VRゴーグルを着用したクリーンルームのバーチャル見学を交えながら、半導体の製造工程や、工場ではどのような業務があるのかを紹介しました。また、生徒はウエハー*1を手に取りクリーンスーツを着用した作業を体験しました。さらに、自身のキャリアを考えるきっかけとしてもらうべく、同社の技術者が実際に取り組んでいる環境課題の一つである廃棄物の削減について「自然環境の保全と科学技術の利用」をテーマにワークショップを実施しました。
- *1 ウエハーは、半導体チップの基盤材料となるシリコン結晶の円盤。

女子中高生夏の学校への出展とキャリア形成支援
女性活躍推進活動の一環として、キオクシア株式会社は2018年から、国内最大級の女子中高生の理系進路選択支援事業「女子中高生の夏の学校(夏学)*2」に出展しています。
2023年、同社は「ポスターとキャリア相談」のプログラムに参加しました。「『フラッシュメモリの秘密』を探検しよう!」をテーマに、フラッシュメモリが身近な生活においてさまざまな形で利用されていることやその仕組みを説明しました。さらに、同社の女性技術者が自身のキャリアを紹介しました。
約60名の女子中高生からキャリア形成、企業選択の動機など、進学やキャリアに関する質問を受けました。同社の女性技術者は、自身の経験に基づいて半導体のモノづくりの最前線で働く楽しさ、魅力などを伝えるとともに、参加者の将来のキャリアについてアドバイスをしました。
今後も同社は、理系進学をめざす中高生のキャリア相談を積極的に行っていきます。
- *2 女子中高生夏の学校(夏学)は、女子中高生夏の学校実行委員会(2018年)、独立行政法人国立女性教育会館(NWEC、2018年、2019年)、NPO法人女子中高生理工系キャリアパスプロジェクト(GSTEM-CPP、2019年~)が主催する女子中高生の理系進路選択支援事業です。

理系女性活躍推進のための寄附
STEM(Science(科学)、Technology(技術)Engineering(工学)、Mathematics(数学))分野における女性の活躍を広げていくためには、女子学生がSTEM分野に興味を持つ機会や進学後にキャリアパスを考えるための情報を提供することが重要です。
キオクシアホールディングス株式会社は、2023年度、国立大学法人東京大学物性研究所等が主催する女子中高生の理系進路選択を応援するための「未来をのぞこう!」、物理分野に進学した女子学生・大学院生のキャリアパスやネットワークづくりを支援するための「やっぱり物理が好き!」、物性科学分野において女性研究者、大学院生の活躍をサポートするための「ISSP Women’s Week」の各イベントの趣旨に賛同し寄附をしました。これらのイベントには約400人が参加し、参加者同士の交流機会になりました。
岩手大学などとキオクシア岩手株式会社の教育連携
キオクシア岩手株式会社は、2019年に岩手大学との教育連携を開始しました。2023年度は秋田大学、山形大学と岩手県の高等専門学校、高等学校にも拡大し、約540名に対して半導体関連の講義を実施しました。講義では、半導体産業の発展の歩み、半導体のテクノロジードライバー*3であるロジックデバイスの細分化技術、メモリデバイスの三次元化技術を紹介し、活発な意見や質問が飛び交いました。
産学相互発展のため、今後も半導体産業の魅力を伝える機会を拡大するとともに、次世代人材育成に貢献していきます。
- *3 次世代の機器や、製造技術の開発を推し進める最先端のプロセスや生産技術。

大学院などでの教育連携
国内グループは、若手科学技術者の育成を目的に、大学院などで教育を実施しています。
キオクシア株式会社では、電気通信大学と2019年度に包括連携協定を結び、人材交流を通じて技術者の育成、および研究活動に協力し、半導体メモリと半導体製造に関連する科学技術の発展に貢献することを目指しています。2023年度は、同社技術者が客員教授として、情報理工学研究科の修士・博士課程の学生約100名を対象に、「情報メディアシステム(データマイニング)」の講座を開催しました。
また、名古屋大学では「社会を支える半導体メモリ(不揮発メモリの進化について)」、大阪大学では修士・博士課程に加えて社会人も対象に「3次元フラッシュメモリの発展、将来の課題へのチャレンジ」などの講座を実施しました。また電子情報技術産業協会(JEITA) 半導体部会主催の講演会・講義へ講師を派遣しました。2023年度に全国の大学院などで実施した講座は148回、受講者は約2,000名に及びます。同社はこのような教育機関との連携を通じて、優秀な技術者を継続的に社会に輩出し、工学分野の発展および半導体産業の発展を目指しています。
産学交流の機会創出
キオクシア株式会社は、2020年度から、慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート内の「AI・高度プログラミングコンソーシアム(AIC)」に参画しています。
2023年度に開催されたイベント「AIC Discussion Forum(AI時代のライフスタイル)」では、「AIで私たちの生活はどう変わったか、そしてAIが人間を超えた未来に私たちはどう生きるか」をテーマに、グループディスカッションやパネルディスカッションを実施しました。学部から博士課程まで幅広い層の学生が参加し、生成AIなどの最新技術や各国で進む規制、AIが発展する社会で人にどのような判断が求められるのかなどについて、議論を交わしました。これからの生活でAIをどのように活用し、課題解決につなげていくのか、企業と大学の垣根を越えて考え、交流する機会を提供しました。
その他の地域社会の課題解決への貢献
キオクシアグループは、その他、事業を展開する地域社会が抱える課題やニーズに応じて、地域貢献活動を実施しています。
クリスマス・チャリティ・イベントを通じた子どもの支援:キオクシアヨーロッパ社
キオクシアヨーロッパ社は、ドイツ全土で貧困や社会的困難にあえぐ人々を支援するNPO Diakonieの活動を長年にわたり支援しています。
2023年12月にキオクシアヨーロッパ社は、クリスマス・チャリティ・イベント「デュッセルドルフ・Diakonieの家の子どもたちへのクリスマス・ギフト」を開催しました。社員食堂で、従業員20名によるささやかなクリスマス・パーティーに、家庭環境のためにDiakonieの家で保護されている20名の子どもたちと、日々子どもたちをサポートしているスタッフを招待しました。ホットチョコレートとクッキーをふるまい、クリスマスキャロルを合唱し、パーティの最後には子どもたちがそれぞれに選んだプレゼントを手渡し、交流を深めました。

地域社会の女性支援:キオクシアアメリカ社 LeadHERs
キオクシアアメリカ社は、女性活躍支援のための社内組織「LeadHERs」を2018年に立ち上げました。LeadHERsは、同社の地域貢献チームと連携して、地域貢献イベントもサポートしています。
2023年にLeadHERsは、地域で孤立してホームレス状態にある女性を減らすために取り組むNPO WISEPlaceに協力して、カリフォルニア州オレンジ郡でのシェルター美化プロジェクトに参加しました。このシェルターに保護されている女性は、安全な住まいやカウンセリング、就労支援などのサポートを受けています。LeadHERsでは、シェルター周辺の美化活動を企画し、植物や資材購入のために寄付を募り、古い造園を一掃して新しい植物を植え、プランターのペンキを塗り替えました。
また、国際女性デーをシェルターに保護されている女性と一緒に祝うために、ボランティア活動として、寄付を集めて生活に便利な商品を購入し、ギフトバッグとして贈りました。

チャリティイベントの実施:Solid State Storage Technology Corporation(SSSTC)
台湾のSSSTCは2023年5月に、桃園市のプーシン牧場でチャリティイベントを兼ねたファミリーデーを開催しました。このイベントは、障がいを持つ子どもや難病を抱える方々を支援しているChildren are us Foundation、PWSA台湾との共催により実施されました。当日は、同社の従業員800名とその家族400名が参加しました。また、教育格差の問題を抱える辺境地域にある小学校から24 名の生徒を招待し、生徒により歌が披露されました。SSSTCのこの小学校への寄付は、教育環境の改善に活用されました。
また、従業員は、これらのNPOが福祉施設で手作りした食べ物や工芸品を積極的に買い求め、その一部は障がい者の支援に役立てられました。

その他のキオクシア株式会社 四日市工場、キオクシア岩手株式会社の地域貢献活動はこちらをご覧ください。