キオクシアは、2021年8月、子どもたちが科学に触れ、科学への興味・関心を高めることを目的に開催された四日市こども科学セミナーに出展しました。
「実感サイエンス『ものづくりのまち四日市』」と題するセミナーパートでは、当社は「メモリってなぁに」のタイトルで、約60名の参加者を対象に、メモリの仕組みの紹介、記憶にまつわるクイズ出題などを行いました。参加した子どもたちは積極的にクイズに答えるなど、大変盛り上がりました。VR(バーチャルリアリティ)ゴーグルを使った、ものづくりの現場であるクリーンルーム体験に特に人気が集まり、目を輝かせながら興味津々にゴーグルをあちらこちらへ向ける姿が多く見られました。
地域社会の発展支援
基本的な考え方
キオクシアグループは、地域社会との共生が良き企業市民としての責務と考えています。「記憶」の技術で社会を豊かにすることを目指して、地域社会や政府・自治体、NPO・NGO、学術機関などとの対話を図りながら、当社の技術や製品・サービス、ノウハウ、従業員などの資源を活かして、地域社会の課題に取り組みます。特に、事業を展開する地域社会の活性化、および科学分野における次世代の人材育成に注力しています。
推進体制
キオクシアグループでは、総務部門が地域貢献活動を担当しています。事業活動を展開している各拠点において、地域社会と積極的にパートナーシップを築き、地域貢献活動を行うとともに、従業員の社会参画も推進しています。
地域雇用・取引の促進
キオクシアグループは、地域社会の活性化に貢献するため、地域雇用や地域企業との取引など、地域に根差した事業を展開しています。
ボランティア活動に利用可能な休暇制度
キオクシアは、長期休暇制度を導入し、従業員の地域貢献活動への参加を支援しています。従業員は個人別に積み立てた年休(最大25日)を地域貢献活動などに活用できます。
主な活動実績(2021年度)
次世代の理系人材育成への貢献
キオクシアグループは、将来を担う若者が科学技術やものづくりに興味を持ち、優秀な技術者を志すことを支援するべく、さまざまな体験の場を提供しています。2021年度は、理科授業やワークショップを各地で実施し、小学生から大学生までを中心に約1,500人が参加しました。
四日市こども科学セミナーへの出展

四日市市立中学校への出前授業
キオクシアは、2008年度から四日市市教育員会と連携して、キャリア教育の一環として出前教育を行っています。
2021年度は暁中学校と西笹川中学校において、「会社でのお仕事」をテーマに半導体の材料となるウェハやSDカードなどを用いながら、製造工程や工場内ではどのような業務があるのかをご紹介しました。数名の生徒は、作業用のクリーンスーツを試着して、VRでクリールームの様子を体験しました。
さらに、ご自身のキャリアを考えるきっかけとして、技術者が実際に取り組む課題などを例にワークショップを実施しました。
その他、四日市工場近隣地域における地域貢献活動はこちらをご覧ください。

女子中高生夏の学校への出展とキャリア支援
女性活躍推進の一環として、キオクシアは2018年から、国内最大級の女子中高生の理系進路選択支援事業「女子中高生の夏の学校(夏学)*1」に出展しています。
2021年、当社は「ポスターとキャリア相談 研究者・技術者と話そう」のプログラムにオンラインで参加しました。「『フラッシュメモリの秘密』を探検しよう!」をテーマに、フラッシュメモリが身近な生活においてさまざまな形で利用されていることやその仕組みを説明。さらに、当社の女性技術者が自身のキャリアを紹介しました。参加した女子中高生からは「数学は嫌いだけど理系を選択しても大丈夫ですか?」「容量が大きくなると、フラッシュメモリの大きさは大きくなるのでしょうか?」といったキャリアの相談やメモリに関する質問を受けました。
参加者から「最先端の研究・開発を担っている女性技術者の中高生時代の科目得意や、今の仕事を選んだ理由、業務内容等を具体的に聞けて進路選択に役に立つ」「メモリは活用シーンが広くて面白い」などの反響がありました。
今後も当社は、次世代の理系人材育成のため、科学技術やものづくりのおもしろさを体験する場を提供していきます。
- *1 女子中高生夏の学校(夏学)は、女子中高生夏の学校実行委員会(2018年)、独立行政法人国立女性教育会館(NWEC、2018年、2019年)、NPO法人女子中高生理工系キャリアパスプロジェクト(GSTEM-CPP、2019年~)が主催する女子中高生の理系進路選選択支援事業です。

岩手大学とキオクシア岩手株式会社の教育連携
キオクシアグループの第二製造拠点としてスタートしたキオクシア岩手株式会社は、2019年から岩手大学との教育連携を進めています。2021年度は、これまでの公開講座の内容を発展させ、複数の工学科において半導体講義を実施しています。半導体産業の発展の歩み、半導体のテクノロジードライバー*2であるロジックデバイスの微細化技術、メモリデバイスの三次元化技術を紹介しています。年々受講する学生は増加し、活発な意見や質問が飛び交っています。
産学相互発展のため、今後、東北地域の他大学や、高等専門学校、高等学校へ展開することを検討していきます。
- *2 次世代の機器や製造技術の開発を推し進める最先端のプロセスや生産技術

大学院での教育連携
キオクシアは、若手科学技術者の育成を目的に、大学院等で教育を実施しています。
電気通信大学と2019年度から包括連携協定を結び、人材交流を通じて技術者の育成、および研究活動に協力し、半導体メモリと半導体製造に関連する科学技術の発展に貢献することを目指しています。2021年度は、当社技術者が客員教授として、情報理工学研究科の修士・博士課程の学生約100名を対象に、「情報メディアシステム(データマイニング)」の講座を実施しました。また、名古屋大学では、「社会を支える半導体メモリ(不揮発メモリの進化について)」の講座を実施しました。
優秀な技術者を継続的に社会へ輩出し、学問としての工学分野の発展および半導体業界をはじめとする産業界の発展を目指していきます。
産学交流の機会創出
キオクシアは2020年度から、慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート内の「AI・高度プログラミングコンソーシアム(AIC)」に参画しています。
2021年度は、「AI活用アイデアコンテスト」としてワークショップ(アイデアソン*3)を実施しました。参加した学生は、身近な課題を題材に、AI課題マップ*4を用いて課題解決に役立つAI技術を抽出・組み合わせることにより、AIでどのように課題解決をするかについて競い合いました。さらに、当社内で使用している「画像生成ソフト」を用いて、AIが実業務でどのように活用されているのか学びました。学部から博士課程まで幅広い層の学生が参加し、参加者からは「AIの技術や活用について理解が深まった」などのコメントがありました。
AIによりどのように課題を解決し、新しい価値を生み出すのか、そのきっかけとなる体験と交流の場を提供しました。
- *3 アイデアソン:あるテーマに対して、グループ単位でアイデアを出し合い、結果を競うイベント。
- *4 人工知能学会「AIマップβ 2.0 」https://www.ai-gakkai.or.jp/resource/aimap/
チャリティーウオークを通じた寄付活動:キオクシアヨーロッパ
キオクシアヨーロッパは、地域貢献と従業員の健康増進を組み合わせた、チャリティーウオークを2022年に2回実施しました。従業員は、デュッセルドルフのオフィスを出発点に、ドイツ最長の川であるライン川に沿って歩きました。在宅勤務期間を経て、同僚との再会がかなう良い機会となり、彼らは大いにウオーキングを楽しみました。
のべ43名が参加し、総距離は472kmに及びました。キオクシアヨーロッパは、1 キロあたり2ユーロを後援し、ウクライナの医療支援のために「Action Medeor*5」に 944 ユーロを寄付しました。
- *5 「Aktion Medeor」は、ドイツの非政府医療援助組織で、世界の危機的状況を医薬品や医療機器で支えています。詳細は、以下のリンクをご参照ください。

地域社会の食支援:キオクシアアメリカ LeadHERs
キオクシアアメリカは、女性活躍支援のための社内組織「LeadHERs」を2018年に設立しました。LeadHERs は、キオクシアアメリカの地域関連チームと連携して、地域貢献イベントもサポートしています。
2022年には、LeadHERSがいくつかの地域支援イベントを主導しました。パンデミック以来初となる対面ボランティア活動では、LeadHERSのメンバーはカリフォルニア州アーバインにあるセカンドハーベスト農場において、キャベツの収穫と包装を手伝いました。収穫された栄養満点の野菜は、オレンジ郡での食糧の安定供給に役立てられました。現在セカンドハーベストでは、毎月約 600,000 食を必要としている方々に提供しています。

クリスマスチャリティーイベントの実施:Solid State Storage Technology Corporation(SSSTC、台湾)
Solid State Storage Technology Corporation(SSSTC)は、昨年に続き2021年のクリスマスにチャリティフェアを実施しました。同イベントは、恵まれない方々のために活動するChildren are us Foundation、Eden Social Welfare Foundationなど11のNPOと共催しました。当日はSSSTCの約900名の従業員が参加しました。
SSSTCは、教育格差の問題などを抱える辺境地域にある3つ小学校の子ども170人を支援しており、そのうち20人をSSSTCへ招待しました。SSSTCの会長兼 CEO (チャーリー ツェン) は子どもたちに奨学金を授与し、彼らは歌の披露などを通じて、従業員と交流しました。
また、従業員は、これらのNPOが福祉施設で作った食べ物や工手芸品を定期購入しています。集まった寄付約80万円は全額これらのNPOに寄付され、子どもや障がい者など社会的弱者の支援に活用されています。
