キオクシア(株)は、女性活躍推進に関する取り組みの実施状況が優良な企業として、厚生労働大臣より2025年1月、「えるぼし認定」の最高位である3段階目(3つ星)の認定を取得しました。
「えるぼし認定」は、女性活躍推進法に基づいた一般事業主行動計画の策定・届出を行った企業のうち、女性活躍推進に関する取り組みの実施状況が優良であるなど一定の要件を満たした企業を厚生労働省が認定するものです。「採用」「継続就業」「労働時間等の働き方」「管理職比率」「多様なキャリアコース」の5つの評価項目すべての基準を満たしたことで、最高位の3段階目に認定されました。
多様性の推進
多様な従業員がそれぞれの力を十分に発揮することがイノベーションを創出し、企業の成長や社会への新しい価値創造につながります。このような考えから、キオクシアグループは多様性(ダイバーシティ)を推進しています。
多様性推進の基本方針
グローバルな事業環境、拡大・高度化・多様化する市場ニーズに応えるためには、人種、宗教、性別、国籍、障がいの有無、年齢、性的指向・性自認・性表現などにかかわらず、すべての従業員が個性・能力を発揮し活躍できる環境・風土を醸成することが不可欠です。キオクシアグループは、多様な人材がそれぞれの個性・能力を最大限に発揮するための機会や環境づくり、風土醸成に取り組みます。
多様性推進の体制
キオクシアグループでは、キオクシアホールディングス(株)の人事担当役員をダイバーシティ推進責任者に定めています。また、キオクシア(株)の人事総務部をグループ全体の多様性推進組織と位置づけ、取り組みを進めています。さらに、サステナビリティ推進委員会の下部組織である多様性・人権デューデリジェンス・タスクフォースにおいて、課題の把握や、それらの解決に向けた施策を協議しています。
多様性推進の取り組み
2024年度は、社内の風土醸成や従業員のキャリア形成促進、障がい者の雇用拡大のための施策に重点的に取り組みました。
女性従業員の活躍推進
キオクシアグループでは、女性従業員の活躍は、多様性推進の中でも注力すべき重要なテーマの一つと位置づけて取り組んでいます。イノベーション創出のために多様な視点が必要であり、また、グローバルに事業を展開する企業として、より多くの女性従業員が積極的に経営参画していくことが期待されています。キオクシア(株)では、次の目標を定めています。
- 女性役職者数(2025年度:2019年度の2倍)
- 新卒採用に占める女性の割合:事務系45%、技術系15%以上
これらの目標は、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画にも定め、施策を推進しています。
具体的には、仕事と家庭の両立を支援する制度や手続きについてまとめたハンドブックの作成、従業員への周知や、より多様な人材が活躍できる風土を醸成するために、経営幹部を対象とした勉強会や管理職向けのセミナー・ワークショップ、課題把握のために従業員アンケートや女性役職者へのヒアリングなどを実施しています。
キオクシア(株)の女性活躍推進法および次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画は以下です。同社は、次世代育成支援対策推進法に基づく計画の目標を前倒しで達成したため、新たな行動計画を策定・公開しました。(2025年4月)
女性役職者へのヒアリング
キオクシア(株)では2024年度に、女性役職者約30名へのヒアリングから得られた課題や背景を分析し、その結果に基づいて、部門長や役職者に対して教育などの施策を実施しました。
施策の詳細は以下のとおりです。
キオクシア(株)における女性役職者育成・女性新卒採用の実績
女性役職者数の推移*1
新卒採用者*2に占める女性の割合*3
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事務系 |
技術系 |
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|---|---|---|
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2019年度 |
25.0% |
7.2% |
|
2020年度 |
25.0% |
14.4% |
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2021年度 |
60.0% |
11.5% |
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2022年度 |
53.3% |
13.2% |
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2023年度 |
37.5% |
8.7% |
|
2024年度 |
30.4% |
9.7% |
|
2025年度 |
71.4% |
14.3% |
- *1 対象はキオクシア(株)における各年3月末時点の女性役職者(課長クラス以上)、キオクシアホールディングス(株)への出向者を含みます(中間目標の基準年として設定した2019年実績比)。2025年より、女性活躍推進法の規定に基づき算出し、出向者については、グループ内他社への出向者を含み、グループ外他社への出向者および他社からの出向者を除いています。従来の算出方法での女性役職者数の2025年実績は100名でした。
- *2 大卒・大学院修了
- *3 キオクシア(株)の各年度の大卒、大学院修了の正規従業員の入社実績。キオクシアホールディングス(株)は新卒採用を行っていません。
女性活躍推進企業として「えるぼし認定」最高位の3つ星を取得
STEM分野での女性活躍支援
キオクシアグループは、女性エンジニアが活躍するためには、社会全体で、STEM(Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学))分野における女性の活躍を広げていくことが重要だと考えています。
キオクシア(株)は、2018年から、国内最大級の女子中高生の理系進路選択支援事業「女子中高生夏の学校(夏学)」に参加しています。詳細は「女子中高生夏の学校への出展とキャリア形成支援」をご覧ください。
女性従業員の活躍推進 LeadHERs
キオクシアアメリカ社では、社内組織「LeadHERs」を立ち上げ、メンタープログラムやツール、ネットワーキング、仕事と個人の両方の目標達成のための機会の提供を通じて、女性従業員のキャリア形成を支援しています。また、「LeadHERs」は、国際女性デーのチャリティーイベントへの参加、テクノロジー業界や地域社会における女性の社会的地位向上を促進するための活動なども行っています。
外国籍従業員の採用・活躍促進
キオクシアグループはグローバルに事業を展開しており、さまざまな国籍の従業員が活躍しています。
10の国と地域に拠点を置く当社グループでは、海外グループ会社において1,694名(国内グループ会社からの出向者を除く)が勤務しています。また、国内グループ会社では、15の国と地域、139名の外国籍従業員*4が勤務しています。
- *4 2025年3月31日時点、日本以外の国籍を持つ従業員
シニア世代の活躍促進
従業員が年齢にかかわらず、長年培った知識・経験を活かして活躍し続けることのできる制度として、キオクシア(株)では2019年度に定年退職の年齢を60歳から65歳に延長しました。また、年齢で一律に役職から外れる役職定年制度を2021年度末で廃止しました。
障がい者の採用・活躍推進
国内グループ会社の障がい者雇用率は2.80%です(2025年3月末時点)。
法定雇用率の達成に向けた取り組みと並行して、社会全体が目指すゴール「ソーシャル・インクルージョン」に向けて、従業員同士の交流、働きやすく・働きがいのある環境の整備、さらには事業価値の創出の観点で取り組んでいきます。
キオクシア岩手(株)誰もが活躍できる職場へ
キオクシア岩手(株)は、誰もが働きやすく、やりがいを感じられる職場づくりに注力しています。製造部門や事務部門などさまざまな業務で、障がいのある従業員が活躍し、2024年度は障がい者雇用率2.91%(2025年3月時点)を達成しました。
採用にあたっては、岩手県のハローワークや地域の支援学校、支援団体と連携し、障がい者とのマッチングサービスを積極的に活用しています。入社後は、定期的に面談を行い、安心して働ける環境を整えています。また、外部講師を招いてダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)ワークショップを2回実施しました。役職者や中堅従業員を中心に約100名が参加し、多様性や相互理解の重要性について理解を深めました。今後も、さまざまな違いを認め合う組織の風土・一体感の醸成に取り組み、誰もが活躍できる職場を目指していきます。
その他の同社の障がい者の活躍促進の取り組みについては以下をご覧ください。
キオクシアエトワール(株)(特例子会社)
2018年に設立されたキオクシアエトワール(株)では、障がいのある従業員が清掃、事務・軽作業、マッサージ、水耕栽培に携わっています。2024年度は、従業員の職域を広げ、より多くの障がい者の雇用・活躍を推進するため、キオクシア(株)、特に四日市工場で業務の棚卸を実施しました。日々の業務管理やこまめな声かけ、職場適応援助者(ジョブコーチ)との面談設定などを通じて、従業員一人ひとりの特性を把握し、成長できる働きやすい職場づくりに努めています。
キオクシア(株):手話交流会でコミュニケーションの輪を広げる
2024年10月、キオクシア(株)横浜テクノロジーキャンパスの有志従業員が「TalkXIA(トークシア)手話べり交流会」を立ち上げました。この交流会には、聴覚障がいの有無を問わず、社外を含めて多様なメンバーが参加し、誰もが安心して参加できる場を提供しています。手話を共通の言語として、聴覚に障がいのある従業員とない従業員が気軽に交流することを目的としています。2024年度は2回開催し、参加者から「久しぶりに会って会話ができて楽しかった」との声も寄せられました。手話を通じて、よりスムーズなコミュニケーションを促進し、地域や職場を超えて多様性を推進する交流の場づくりを目指しています。
性的マイノリティへの理解促進
キオクシアグループでは2024年度に、全従業員向けのe-ラーニングを通じて、LGBTQ+など性的マイノリティへの理解促進を図りました。また、キオクシア(株)では、人事担当者向けに外部講師による性的指向や性自認、性表現への配慮に関する研修を実施し、さらに理解を深めています。
多様性の推進に関する教育
キオクシアグループでは、多様性推進の風土醸成や理解促進を目的に、前年度に続き2024年度も、経営層や管理職の意識変革を促すワークショップや研修を実施しました。また、全従業員向けには、e-ラーニングを展開しました。
多様な従業員の活躍推進に向けたステップ
社内の文化醸成の教育実績(2022~2024年度)
経営層
「女性活躍推進のための勉強会」の実施(2022年度)
キオクシアグループの経営幹部向けに、「経営戦略としての女性活躍推進の重要性」をテーマとして、外部有識者による勉強会を実施しました。勉強会後は、キオクシアグループでの女性活躍推進を見据えた闊達な議論が行われました。
「業績とエンゲージメントが向上する働き方改革のワークショップ」の実施(2023年度)
キオクシアグループの経営幹部向けに「業績とエンゲージメントが向上する働き方改革」をテーマとして、外部有識者によるワークショップを実施しました。社会変化を踏まえた働き方の変化や従業員エンゲージメントの向上などについて闊達な議論が行われました。
経営層・管理職
「ダイバーシティセミナー」の開催(2022年度)
キオクシアホールディングス(株)、キオクシア(株)の執行役員および管理職を対象に、他企業の役員を講師に迎え、「女性活躍、経営戦略と人材戦略の連動」をテーマとしたセミナーを開催しました。対象者の8割以上にあたる、約300名が参加し、積極的に質疑応答が行われました。
管理職
「心理的安全性を高めるコミュニケーションセミナー」の開催(2022年度)
キオクシア(株)では、管理職を対象に、「心理的安全性を高めるコミュニケーション」をテーマとしたセミナーを開催し、約300名が参加しました。多様な個性を持つ従業員が力を発揮し、イノベーションを生み出す組織づくりに必要な要素である心理的安全性について、外部有識者から解説を受けました。
「ダイバーシティ・マネジメント・ワークショップ」の実施(2024年度)
キオクシア(株)では、役職者向けに外部有識者を招いて「多様な人材が活躍する職場を築くための働き方改革」をテーマとしたワークショップを実施しました。
2024年7月には部長以上の約100名が参加し、その結果を踏まえて、2025年3月にはグループ長・課長を対象に同様のワークショップを実施し230名が参加しました。参加者は、多様な人材が効率的に成果を挙げるためのマネジメントや心理的安全性の重要性について理解を深め、働き方変革の実現に向けて、活発な意見交換が行われました。
「DE&Iワークショップ」の実施(2024年度)
キオクシア岩手(株)では、障がい者の活躍推進の一環として、「『多様性』を知り『つながり』を体感するDE&I」ワークショップを2回実施し、役職者や中堅従業員を中心に約100名が参加しました。外部講師との対話を通じて、すべての人が共生できる職場づくりへの理解を深めました。
全従業員
多様性推進にかかわるe-ラーニングの実施(2022~2024年度)
キオクシアグループは、全従業員を対象に、人権教育を実施しています。2021年度は障がい者、2022年以降はLGBTQ+をテーマとして、e-ラーニングにより従業員の理解浸透を図りました。
「男性育休視点で考える多様な人が働きやすいチームとは?」講演会の開催(2023年度)
キオクシアホールディングス(株)、キオクシア(株)の従業員を対象に、外部有識者による、「男性育休視点で考える多様な人が働きやすいチームとは?」をテーマとした講演会を開催しました。約250名が参加し、性別を問わず気兼ねなく育児休職を取得できる環境をつくるためのポイントなどについて、積極的に質疑応答が行われました。
ワークライフバランスの推進
キオクシアグループでは、従業員のワークライフバランスの充実に取り組んでいます。従業員一人ひとりが仕事に取り組む意識と仕事のやり方を変え、生産性を高める活動を進めています。
労働時間の削減・勤務時間への配慮
国内グループ会社では、勤務時間のモニタリング、年次有給休暇の取得を推進しています。さらに、長時間労働者に対しては産業医による面談を行っています。
2024年度のキオクシア(株)の1人当たり総実労働時間は2,024時間、年間時間外労働時間は353時間でした。
キオクシア(株)では、労働時間を削減するための働き方への転換を進めています。在宅勤務の試行や、在宅勤務に関するアンケート結果を踏まえ、2022年度より在宅勤務制度を正式に導入しました。在宅勤務を通じて、職場でのコミュニケーションの在り方や仕事の進め方、時間に対する考え方を見つめ直す機会を創出し、職場風土や従業員の働く意識の変革を促すことで、業務効率と働きがいの向上を目指しています。
多様な働き方を推進するための制度
労働時間にかかわる主な制度・施策*5
※表を左右にスクロールすることができます
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制度・施策 |
主な内容 |
|---|---|
|
柔軟な勤務制度 |
フレックスタイム制度、在宅勤務制度 |
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積立休暇制度 |
自己啓発、社会貢献活動、私傷病(不妊症治療を含む)、育児、介護、看護、結婚、忌引、配偶者出産などを理由に、従業員が個人別に積み立てた年休(最大25日)を活用できます。 |
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年次有給休暇の取得促進 |
計画的な年次有給休暇の取得を促進しています。 |
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勤務時間を可視化するシステム |
勤務実績状況を表示するシステムを運用しています。 |
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各職場での長時間労働改善 |
部門や事業場ごとに長時間労働是正の取り組みを展開しています。 |
- *5 キオクシアホールディングス(株)、キオクシア(株)の制度・施策
仕事と育児・介護の両立支援
キオクシアグループは、仕事と家庭の両立支援に取り組んでいます。国内グループ会社では、法定水準を上回る制度を整備し、さらに拡充と柔軟化を進めています。前述の「長期休暇制度」では、小学校修了前の子の学校などの行事(入学式や卒業式を含む式典、授業参観、運動会など)に参加する時においても取得することができます。また、「時間単位年休制度」では、1時間を超えて取得する場合に15分単位で取得することができます。
仕事と育児・介護の両立を支援する主な制度*6
出産・育児
※表を左右にスクロールすることができます
|
制度 |
法定 |
当社の制度 |
|---|---|---|
|
育児休職制度 |
期間:一定の要件を満たす場合を除き、満1歳まで |
期間:子の満3歳到達の月末まで |
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短時間勤務制度 |
対象:3歳未満の子を養育する者 |
対象:小学校修了前の子を養育する従業員
|
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時間単位年休制度 |
- |
取得時間は1時間単位とします。ただし、1時間を超えて取得する場合は15分単位で取得できます。 |
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看護等休暇 |
- |
次の事由に該当する時は、小学校修了前の子を対象に、子1人につき、1年度に5日取得できます。
|
介護
※表を左右にスクロールすることができます
|
制度 |
法定 |
当社の制度 |
|---|---|---|
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介護休職制度 |
被介護者1人につき、通算93日まで、3回まで分割して取得できます。 |
被介護者1人につき、通算365日まで、3回まで分割して取得できます。 |
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時間単位年休制度 |
- |
取得時間は1時間単位とします。ただし、1時間を超えて取得する場合は15分単位で取得できます。 |
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介護休暇 |
- |
家族の介護、通院などの付き添い、介護サービスの提供を受けるために必要な手続きの代行およびその他必要な世話を行う必要がある時は、対象となる家族1人につき、1年度に5日取得できます。 |
職場復帰
※表を左右にスクロールすることができます
|
制度 |
当社の制度 |
|---|---|
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次世代育成手当 |
対象となる子ごとに支給します。 |
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ベビーシッター利用券 |
ベビーシッター利用時に、利用料金の一部または全部の助成が受けられます。 |
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相互理解プログラム |
休職前および復職後に本人、上長、人事担当者が休職中の取り扱いや今後のキャリアについて話し合う機会を設け、休業・休職前後の従業員が抱える不安を軽減します。 |
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再雇用の仕組み |
広く当社の退職者を対象に、他社で獲得した知見や多様な視点を活かして再び当社で活躍することのできるアルムナイ採用を推進しています。 |
- *6 キオクシアホールディングス(株)、キオクシア(株)の制度
福利厚生
カフェテリア制度
キオクシア健康保険組合によるカフェテリアポイントを使用して、保養所やフィットネスクラブ、育児・介護サービスなどが利用できます。
企業年金制度
老後の生活のために、厚生年金保険の老齢厚生年金に加え、企業年金制度(確定給付企業年金)を導入しています。また、確定拠出年金も導入し、老後資金のさらなる充実を図っています。
多様性の推進や従業員についての実績は、以下(社会データ)をご覧ください。
女性の活躍推進や仕事と家庭の両立支援に関する実績は、以下から検索いただけます。
キオクシアグループでは、さまざまな職種で多様な人材が個々の強みを活かして働いています。