多様性の推進

多様な個性を持つ従業員がそれぞれの力を十分に発揮することが、イノベーションを創出し、企業の成長や社会への新しい価値創造につながります。このような考えから、キオクシアグループは多様性(ダイバーシティ)を推進しています。

多様性推進の方針と体制

キオクシアグループは、グループ行動基準に「人権・多様性の尊重」を掲げ、人種、宗教、性別、国籍、障がい、年齢、性的指向等にかかわらず、多様な人材が活躍できる風土を醸成していきます。
キオクシアグループでは、キオクシアホールディングス株式会社の人事担当役員をダイバーシティ推進責任者に定めています。また、キオクシア株式会社の人事総務部をグループ全体の多様性推進組織と位置づけ、取り組みを進めています。また、サステナビリティ推進委員会の下部組織である多様性・人権デューデリジェンスタスクフォースにおいて、組織横断で戦略、方針、重点施策などを協議しています。

多様性推進の取り組み

2022年度は従業員のキャリア形成促進や障がい者の雇用拡大のための施策に重点的に取り組みました。

女性従業員のキャリア形成促進

キオクシアグループは、性別にかかわらず従業員がそれぞれの力を十分に発揮し活躍できるよう、施策を進めています。
キオクシア株式会社では、女性の経営参画を推進するため、2025年度の女性役職者数を2019年度の2倍にすることを目標に掲げています。また、新卒採用者に占める女性の割合を事務系45%、技術系15%以上を目標に採用活動を行っています。これらの目標は、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画にも定め、取り組みを進めています。
施策として、仕事と家庭の両立を支援するハンドブックの周知や、多様な人材が活躍できる風土を醸成するための経営幹部を対象とした勉強会や管理職向けのセミナーを実施しています。

仕事と家庭の両立を支援するハンドブック:
従業員に向けて、育児・介護などのライフイベントに伴う支援制度を分かりやすく解説したハンドブック

女性活躍推進の一環として、キオクシア株式会社は、2018年から、国内最大級の女子中高生の理系進路選択支援事業「女子中高生の夏の学校(夏学)」に出展しています。詳細は「女子中高生夏の学校への出展とキャリア支援」をご覧ください。

キオクシアアメリカ社では、社内組織「LeadHERs」を立ち上げ、メンタープログラムやツール、ネットワーキング、仕事と個人の両方の目標達成のための機会の提供を通じて、女性従業員のキャリア形成を支援しています。また、「LeadHERs」は、国際女性デーのチャリティーイベントや、テクノロジー業界や地域社会における女性の社会的地位向上を促進するための活動なども行っています。

キオクシア株式会社における女性役職者育成・女性新卒採用の拡大の取り組み

女性役職者数の推移*1

2019年 49人、2020年 54人 2019年比1.10倍、2021年 68人 2019年比 1.26倍、2022年 78人 2019年比1.59倍。2023年 89人 2019年比 1.82倍。

新卒採用者*2に占める女性の割合*3

事務系

技術系

2019年

25.0%

7.2%

2020年

25.0%

14.4%

2021年

60.0%

11.5%

2022年

53.3%

13.2%

2023年

37.5%

8.7%

  • *1 対象はキオクシア株式会社における各年3月末時点の役職者(課長クラス以上)、キオクシアホールディングス株式会社への出向者を含みます(中期目標の基準年として設定した2019年実績比)。
  • *2 大卒・大学院卒。
  • *3 キオクシア株式会社の各年の大卒、大学院卒の正規従業員の入社実績。キオクシアホールディングス株式会社は新卒採用を行っていません。

外国籍従業員の採用・活躍促進

キオクシアグループはグローバルに事業を展開しており、さまざまな国籍の従業員が活躍しています。
10の国と地域に拠点を置く当社グループでは、海外グループ会社において1,972人(国内グループ会社からの出向者を除く)が勤務しています。また、国内グループ会社では、15の国と地域、184人の外国籍従業員*4が勤務しています。

  • *4 2023年3月31日時点、日本以外の国籍を持つ従業員。

シニア世代の活躍促進

従業員が年齢にかかわらず、長年培った知識・経験を活かし活躍し続けることのできる制度として、キオクシア株式会社では2019年度に定年退職の年齢を60歳から65歳に延長しました。また、年齢で一律に役職から外れる役職定年制度を2021年度末で廃止しました。

障がい者の雇用

国内グループの障がい者雇用率は2.37%です。(2023年3月末時点)
法定雇用率の達成に向けた取り組みと並行して、社会全体が目指すゴール「ソーシャル・インクルージョン」に向けて、従業員同士の交流、働きやすく・働きがいのある環境の整備、さらには事業価値の創出の観点で、取り組んでいきます。

キオクシア手話倶楽部

これまでキオクシア株式会社では、毎月、従業員を対象とした手話教室を開催していました。手話倶楽部では、円滑なコミュニケーションの実現に向けて従業員が手話を教えるほか、聴覚障がい者への理解を促す情報を提供していました。新型コロナウイルス感染拡大予防対策のため活動を休止していましたが、2023年5月以降の感染症法上の位置付けの5類移行にともない、オンライン開催に加えて、各拠点で対面開催するための準備を進めています。

また、テレワークの普及や電話会議の増加、マスク着用にともない、聴覚障がい者が会話内容の理解をしづらくなったことへの対策として、会話の内容をリアルタイムにPCの画面上に文字で表示するツールを手話倶楽部のメンバーが中心となって職場に導入しました。当ツールは、音声認識結果をPC画面に表示するもので、プロジェクタに接続したスクリーンへの投影や、オンライン会議での画面共有も可能で、情報共有に役立っています。

キオクシアエトワール株式会社(特例子会社)

障がい者の雇用と活躍促進を目的とした特例子会社のキオクシアエトワール株式会社では、こまめな声掛けをはじめとする日々のコミュニケーションと業務を通して従業員の特性を把握し、個人が成長できる働きやすい職場づくりに努めています。

多様性の推進に関する教育

キオクシアグループでは、「多様性推進」の風土醸成や理解促進を目的に、2022年度に経営幹部や管理職向けにセミナーや勉強会を実施しました。

「ダイバーシティセミナー」の開催

キオクシアホールディングス株式会社、キオクシア株式会社の執行役員および管理職を対象に、他企業の役員を講師に迎え、「女性活躍、経営戦略と人材戦略の連動」をテーマとした講演会を開催しました。対象者の8割以上にあたる、約300人が参加し、積極的に質疑応答が行われました。

「心理的安全性を高めるコミュニケーションセミナー」の開催

キオクシア株式会社では、管理職を対象に「心理的安全性を高めるコミュニケーション」をテーマとしてセミナーを開催し、約300人が参加しました。多様な個性を持つ従業員が力を発揮し、イノベーションを生み出す組織づくりに必要な要素である心理的安全性について、外部有識者に解説していただきました。

経営幹部向け「女性活躍推進のための勉強会」の実施

キオクシアグループの経営幹部向けに「経営戦略としての女性活躍推進の重要性」をテーマとして、外部有識者による講演を実施しました。講演後は、キオクシアグループでの女性活躍推進を見据えた闊達な議論が行われました。

ワークライフバランスの推進

キオクシアグループでは、従業員のワークライフバランスの充実に取り組んでいます。従業員一人ひとりが仕事に取り組む意識と仕事のやり方を変え、生産性を高める活動を進めています。

労働時間の削減・勤務時間への配慮

労働時間については、事業活動を行っている各国・地域の現地法を遵守しています。また国内グループでは、勤務時間のモニタリング、年次有給休暇の取得を推進しています。
また、長時間労働者に対しては産業医による面談を行っています。

2022年度のキオクシア株式会社の一人当たり総実労働時間は2,070時間、年間時間外労働時間は390時間でした。

キオクシア株式会社では、労働時間を削減するための働き方への転換を進めています。これまでの在宅勤務の試行や、在宅勤務に関するアンケート結果を踏まえ、2022年度より在宅勤務制度を正式導入しました。在宅勤務を通じて、職場でのコミュニケーションのあり方や仕事の進め方、時間に対する考え方を見つめ直す機会を創出し、職場風土や従業員の働く意識の変革を促すことで、業務効率と働きがいの向上を目指しています。

多様な働き方を推進するための制度

労働時間にかかわる主な制度・施策*5

※表を左右にスクロールすることができます

制度 / 施策

主な内容

柔軟な勤務制度

フレックスタイム制度、在宅勤務制度

長期休暇制度

自己啓発、社会貢献活動、私傷病(含不妊症)、育児、介護、看護、結婚、忌引、配偶者出産などを理由に、従業員が個人別に積み立てた年休(最大25日)を活用できる

年次有給休暇の取得促進

計画的な年次有給休暇の取得を促進

勤務時間を可視化するシステム

勤務実績状況を表示するシステムを運用

各職場での長時間労働改善

部門や事業場ごとに長時間労働是正の取り組みを展開
(例:ターゲットタイム(退社時刻)の申告、日曜日出勤の原則禁止、深夜残業の原則禁止、集中タイム設定、定時以降の会議原則禁止)

  • *5 キオクシアホールディングス株式会社、キオクシア株式会社の制度・施策。

仕事と育児・介護の両立支援

キオクシアグループは、仕事と家庭の両立支援に取り組んでいます。国内グループでは、法定水準を上回る制度を整備し、さらに拡充と柔軟化を進めています。「時間単位年休制度」では、1時間を超えて取得する場合に15分単位で取得することができます。

仕事と育児・介護の両立を支援する主な制度*6

出産・育児

※表を左右にスクロールすることができます

制度

法定

当社の制度

育児休職制度

期間:一定の要件を満たす場合を除き、満1歳まで
回数:1人の子に対して2回まで申請可

期間:子の満3歳到達の月末まで
回数:1人の子に対して3回まで申請可

短時間勤務制度

対象:3歳未満の子を養育する者

対象:小学校修了前の子を養育する従業員

  1. 申請回数に制限なし
  2. フレックスタイム制との併用可
  3. 15分単位で設定可

時間単位年休

取得時間は、1時間単位とする。但し、1時間を超えて取得する場合は、15分単位で取得できる。

介護

※表を左右にスクロールすることができます

制度

法定

当社の制度

介護休職制度

被介護者1人につき、93日まで3回まで分割して取得できる

被介護者1人につき、通算して365日まで3回まで分割して取得できる。

時間単位年休

取得時間は、1時間単位とする。但し、1時間を超えて取得する場合は、15分単位で取得できる。

職場復帰

※表を左右にスクロールすることができます

制度

当社の制度

次世代育成手当

対象となる子毎に支給
※配偶者が扶養している子も支給対象

ベビーシッター利用券

ベビーシッター利用時に、利用料金の一部または全部の助成が受けられる。(企業主導型ベビーシッター利用者支援事業)

相互理解プログラム

休職前および復職後に本人、上長、人事担当者が、休職中の取り扱いや今後のキャリアについて話し合う機会を設け、休業・休職前後の従業員が抱える不安を軽減

再雇用の仕組み
(キャリアリターン制度)

以下の事由で退職せざるを得ない従業員を再雇用できる仕組みを整備

  1.  配偶者転勤に同伴するための退職(5年以内)
  2. 被介護者を介護するための退職(3年以内)
  3. 出産、育児・養育のための退職(3年以内)
  • *6  キオクシアホールディングス株式会社、キオクシア株式会社の制度。

福利厚生

カフェテリア制度

キオクシア健康保険組合によるカフェテリアポイントを使用して、保養所やフィットネスクラブ、育児・介護サービス等が利用できます。

企業年金制度

老後の生活のために、厚生年金保険の老齢厚生年金に加え、企業年金制度(確定給付企業年金)を導入しています。また、確定拠出年金も導入し、老後資金のさらなる充実を図っています。

多様性の推進や従業員についての実績データは、以下をご覧ください。

キオクシアグループでは、さまざまな職種で多様な人材が個々の強みを活かして働いています。