SDGs トピックス

社会に貢献するキオクシアグループの事業

ここでは、キオクシアグループの事業がどのように社会課題の解決やSDGs目標の達成に貢献しているかについて具体的な事例を紹介します。

1ビットを少しでも安く、多くの人に

9:産業と技術革新の基盤をつくろう、11:住み続けられるまちづくりを

人口が集中する都市部では、人々の生活の質の確保、利便性の高い生活、安全な生活が求められています。フラッシュメモリ・SSDの普及は、いつでも・どこでもインターネットにつながる生活を人々に提供することに貢献しています。例えば、電車などでの移動中にインターネットアクセスすること(タブレットでニュースを読む等)や自宅・オフィスから世界の人々とPCやタブレットを使ってコミュニケーションをすることなどを実現しています。また、画像認証やドライブレコーダーのような記録はより安全な生活をもたらしています。キオクシアグループは、フラッシュメモリ・SSDをさらに安価に大容量化、高性能化することで、より多くの人々が、よりよい生活をすることに貢献していきます。

1ビットを平等に

9:産業と技術革新の基盤をつくろう、11:住み続けられるまちづくりを

世界的に都市への人口が集中する一方で、非都市圏では過疎が進み、地域間での生活の差を生み出しています。しかし、インターネットにつながる環境であれば、スマホ・タブレット等のデバイスで同様の情報を入手することが可能となります。いつでも・どこでもインターネットにつながる生活は、人々の生活の質の向上、子供の教育機会や就労機会の拡大に貢献しています。

新たな生活様式にビットで価値を

9:産業と技術革新の基盤をつくろう、11:住み続けられるまちづくりを

新型コロナウィルスの世界的感染拡大により、日々の生活は、大きな変化を余儀なくされることになりました。世界中で商業活動・移動等が大きく制限されるなか、オンラインコミュニケーションが、人・モノをつなぐ手段となっています。いつでも・どこでもインターネットにつながる環境は、新たな生活様式を実現するための、リモートワークや、自宅でのオンライン授業等にも貢献しています。

先端科学を支える技術開発

9:産業と技術革新の基盤をつくろう

アルツハイマー病などのさまざまな病気の治療のために、最先端科学での「人間の脳」の研究が求められています。「人間の脳」の解明をするための一つにニューロン(神経細胞)の研究があります。ニューロンの数は3ゼタバイトともいわれ、研究には最先端のコンピューティングシステム、ならびに高速に処理を行えるストレージ技術が不可欠となります。

キオクシアは、MITメディアラボやNHKと共同で、マウスの脳のニューロンを高解像度8KのディスプレイやVRヘッドセットでリアルタイムに可視化するための開発に成功しました。当社の高速規格に対応したSSD「CM5」を活用することで、膨大(5~10TB)な3次元画像データをリアルタイムに表示することを実現しました。
SSDの技術開発をさらに進化させることで、高度な科学・医療技術の発展に貢献していきます。

5G通信時代を支える研究開発

9:産業と技術革新の基盤をつくろう、11:住み続けられるまちづくりを

これからの5G通信時代を支えるため、キオクシアグループでは、オートモーティブ(自動運転)、スマートファクトリー、ロボティクス、エンターテイメント等の分野で先端研究開発を進めています。

5G Network

高効率モノづくり

12:つくる責任つかう責任

四日市工場では1日20億件以上のデータを製造装置や搬送システムからリアルタイムに収集し、AI技術でビッグデータ分析することで、不良解析や生産性向上を進めています。
これらのAI技術を用いたスマートファクトリーは、単なる自動化ではなく、不良品を出さないことによる使用材の削減、TAT短縮による消費エネルギーの削減と高品質な製品の安定供給など、持続可能な社会に繋がる賢い(スマート)機能を有することになります。
弊社の強みであるビッグデータは、有益な情報を含む宝の山で、多くの知恵が埋もれています。しかし、人手でそれを見つけ出すことは容易ではありません。そこで、新しいAI技術により、全体を理解しつつ、データ間の複雑な関係を紐解いていきます。さらに、現状理解のみならず将来予測も可能とし、より効率的な開発・生産へと繋げています。
これら最先端のAI技術は社内外のオープンイノベーションで生み出しました。
これからも高集積化として進歩を続ける半導体製造において、AI技術を活用して高生産性を維持・改善していきます。

四日市工場
クリーンルーム内搬送装置

廃棄物のリサイクル(フッ化カルシウム)

12:つくる責任つかう責任

キオクシア四日市工場ではウェハの洗浄やエッチング工程においてフッ酸を多量に使用しており、高濃度フッ酸廃液や、ウェハ等の洗浄により発生した低濃度フッ酸排水が発生します。
従来、排水・廃液中のフッ素処理には凝集沈殿法を採用していました。この方法ではシリカ等の不純物が多量に含まれ水分も多いため、回収・再利用が困難という問題がありました。
2013年より、オルガノ株式会社とAGC株式会社と協業し、高濃度フッ酸廃液から、高純度フッ化カルシウム(人工蛍石)として再生する技術を確立しました。オルガノ株式会社による人工蛍石製造設備を用いて、フッ酸廃液が晶析装置によって処理され、フッ化カルシウム結晶を含むスラリーとして晶析装置から取り出され、脱水後、高純度のフッ化カルシウム(人工蛍石)として再生されます。フッ素系製品メーカーでは、天然蛍石とともにフッ酸製造設備で硫酸と反応・精製され、製造されたフッ酸は市販されるほか、フッ素製品の原料として利用されています。また、フッ酸製造の副生物として生成した石膏も市販されています。

このようなリサイクル事業を通じて、フッ酸含有汚泥を約3割削減するとともに、フッ素系製品メーカーでは、回収したフッ化カルシウム(人工蛍石)からフッ酸等のフッ素系材料を製造し、輸入天然資源である蛍石の使用量を削減しています。
本技術は当社を含むオルガノ株式会社とAGC株式会社とともに表彰を受けました。

廃棄物のリサイクル(フッ化カルシウム) 廃棄物のリサイクル(フッ化カルシウム)

再生可能エネルギー導入に向けた取り組み

13:気候変動に具体的な対策を

2020年、新政権のもと日本は本格的に脱炭素化に向けて舵を切りました。
「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」という日本の政府の目標達成に向け、今後、行政やNPO団体、企業もそれぞれ、活動をこれまで以上に進めていくことになります。キオクシアグループはこれまで、工場を中心とした省エネルギー活動を、組織横断的な形で推進してきました。さらに、全社で使用する電力について再生可能エネルギーを導入することで、CO₂排出の削減につなげていくことを計画しています。

当社の長期の目標としては、2040年までに再生可能エネルギーを使った電力利用率100%にすることを目指しています。この目標を達成するため、業界団体などを通じて他企業や政府との連携を進めていきます。また、この長期の目標を達成するための最初のステップとして、開発・テストセンターなどへの再生可能エネルギー由来の電力導入を進め、あわせて工場敷地内に太陽光パネルを施設するなどの対策も推進していく予定です。
国際社会の期待に応えるために、地域や日本の政策にあわせ再生可能エネルギーの導入をすることで、脱炭素化に向けた取組みを加速していきます。

ロゴ:令和2年度 気候変動アクション 環境大臣表彰 ロゴ:令和2年度 気候変動アクション 環境大臣表彰

環境大臣が、気候変動の緩和及び気候変動への適応に関し継続的な取り組みに関して功績のあった個人又は
団体を表彰する賞で、キオクシア株式会社四日市工場は、普及・促進部門の緩和分野として2020年11月に受賞しました。

PFC等ガス(温室効果ガス)削減

13:気候変動に具体的な対策を

半導体の製造工程ではウェハ上に薄膜を形成するP-CVD(プラズマCVD)工程、Metal-CVD工程配線やコンタクトホールを微細加工するプラズマエッチング工程においてPFC等ガス(温室効果ガス)を使用しています。当社ではPFC等ガスの排出量を削減するために、PFC等ガスを温暖化係数の小さいガスに分解し排出する除害装置を100%設置しており、今後導入する設備にも除害設置率100%を進めます。また、反応室のクリーニングには、高効率設備の導入やクリーニング時間の最適化による使用量の削減にも取り組んでいます。

PFC等除害装置の効果(2021年度実績)

PFC等除害装置の効果(2021年度実績):PFC等を91%削減

※表を左右にスクロールすることができます

施策
No.

施策名

工程

対象ガス

総削減量への寄与割合(%)
2021年度

備考

1

除害装置の設置

Metal、CVD、DRY

CF4、C4F8、CHF3
SF6、NF3、CH2F2
CH3F、CH4、N2O

99.1%

新規導入設備にも設置継続

2

高効率プラズマ減の導入

CVD

NF3

0.2%

新規装置にも導入継続

3

反応室クリーニング頻度最適化

CVD

NF3、N2O

0.2%

2021年度完了

4

反応室クリーニング時間削減

Metal

NF3

0.5%

展開継続

製品の電力効率向上の取り組み

13:気候変動に具体的な対策を

キオクシアグループの提供するフラッシュメモリやSSDにおいて、大容量製品や電力効率の優れた製品を提供していくことで低炭素社会の実現に貢献できると考え、さまざまな取り組みを行っています。

製造時には製品の容量あたりの使用電力量低減や使用材料削減、製品使用時には1GB処理容量あたりの消費エネルギー効率の向上を進めています。

持続可能な社会にむけたディスカション

9:産業と技術革新の基盤をつくろう

キオクシアでは「記憶」で世界をおもしろくする、というミッションを掲げています。このミッションは、これからどんな会社をつくるかという議論を経営層だけでなく、従業員も含めて議論し策定したものです。
キオクシアグループは、このミッションにもとづき、従来のストレージ製造技術の延長ではない事業創出として、将来の社会課題を切り口とし、若手を中心とした社内プロジェクトを立ち上げキオクシアとしてどのような新しい事業機会が考えられるかの検討を開始しました。

社内ディスカション