キオクシアグループでは多様な従業員がそれぞれの能力を発揮して活躍できるよう、人材の育成・活用に力を注いでいます。
価値創出の基盤
社会に価値を提供し続けるためのキオクシアグループの原動力であり、継続して強化する重要な基盤は、「人材」「テクノロジー」「パートナーシップ」の3つから構成されます。
人材
拡大・高度化・多様化する市場ニーズにタイムリーに対応するためにも、人材はキオクシアグループの重要な経営資本です。先端技術を担うハイレベルな人材を採用・育成し、多様な人材が活躍できる仕組みづくりを推進します。
採用活動の取り組み
メモリ・SSD製品の用途の広がりや技術の高度化、ニーズの高まりに対応するため、多様な人材の採用に注力しています。
新卒採用者数*1(事務系・技術系) 実績*2(キオクシア(株))
※表を左右にスクロールすることができます
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2019年度 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
2025年度 |
|---|---|---|---|---|---|---|
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280名 |
207名 |
298名 |
303名 |
379名 |
229名 |
56名 |
- 大卒・大学院修了
- 各年度4月1日入社
多様な専門性を持つ人材の採用
キオクシアグループでは、高度な専門性を持つ人材を採用し、一人ひとりが力を発揮できるよう、キャリア採用の強化、育成の仕組みづくりなどを進めています。
キャリア採用者数 実績(キオクシア(株))
※表を左右にスクロールすることができます
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2019年度 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
|---|---|---|---|---|---|
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113名 |
275名 |
280名 |
282名 |
25名 |
63名 |
多様な個性を持つ従業員がそれぞれの力を十分に発揮できるよう、キオクシアグループは多様性(ダイバーシティ)を推進しています。
テクノロジー
半導体メモリにおけるテクノロジーリーダーシップを堅持し、将来を⾒据えた研究・技術開発を推進します。
研究・技術開発の基本的な考え⽅
キオクシアグループは、「記憶」のテクノロジーリーダーとして、事業ポートフォリオを拡⼤し続けるため、最先端の研究開発に取り組んでいます。
研究開発パートナーとの連携
変化の激しい競争環境のもと、多様な分野においてタイムリーに先端研究開発を⾏うためには、常にさまざまな分野で最先端の知⾒を持つことが必要です。キオクシアグループは、国内外の研究開発パートナー(技術団体、大学、研究機関)との連携を図ることで、幅広い知⾒、アイデアを取り⼊れて、さらなる製品・技術の進化を実現しています。
また、キオクシアグループはパートナーとの研究開発の連携だけでなく、オープンイノベーションを通じた人材交流を積極的に行っています。国内では、次の3つの枠組みを設けています。
- 奨励研究:国内の学術研究機関の研究者を対象に、半導体を含む幅広い分野での研究を助成する。
- 共同研究:高度な技術理解のもと、事業の課題解決を図る。
- 包括連携:研究に加えて、次世代の研究者育成も目的とする。
また、海外においても、複数の大学や研究機関と連携しています。
2024年度の主な活動実績
国内においては、奨励研究では情報処理、AI関連技術をはじめ、ビッグデータ、アプリケーション、セキュリティ、半導体回路設計・デバイス・製造・プロセス・シミュレーション技術・半導体製造におけるカーボンニュートラル環境技術などの分野で公募を行いました。
共同研究では国内学術研究機関と研究活動を継続実施、包括連携では電気通信大学、早稲田大学理工学術院総合研究所との連携活動を継続しています。また、名古屋大学と指定共同研究契約のもと、モビリティ分野の研究を実施し、推進協議会にて連携強化、人材交流を活性化しています。
海外においては、米国・マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボなどとの研究を継続的に実施しています。
研究・技術開発実績
キオクシアグループは、常に最先端の技術開発に取り組むとともに、主要学会や論⽂での研究成果の発表を⾏っており、⾼い評価を受けています。
2024年度の主な活動実績
キオクシア(株)は、第8世代BiCS FLASH™3次元フラッシュメモリ技術を適用した2Tb(テラビット) QLC(Quad-Level-Cell、4ビット/セル)製品のサンプル出荷*1を2024年7月3日より開始しました。業界最大容量*2となる2Tb QLC製品は、AI(人工知能)向けをはじめ、さまざまなアプリケーションにおいて新たな容量帯の実現を可能とし、拡大するデータ需要に応えます。
第8世代BiCS FLASH™は、いくつかの独自プロセスと革新的なアーキテクチャーを導入し、垂直方向と平面方向のスケーリングを実現しています。また、新たに導入したCBA(CMOS directly Bonded to Array)*3技術により、ビット密度の向上と3.6Gb / 秒*4の高速なインターフェースを実現しています。これらの先端技術をQLC製品に適用することで、業界最大容量となる2Tbを実現しました。
- これらのサンプルは製品評価を目的としており、量産品とは仕様が異なる場合があります。
- 2024年7月3日現在。キオクシア(株)調べ
- ウエハーボンディング技術を用いて、別々に製造したCMOS回路のウエハーとメモリセルアレイのウエハーを貼り合わせる技術
- 1Gbpsを1,000,000,000ビット / 秒として計算しています。キオクシアの試験環境で特定の条件により得られた値であり、ご使用条件などによって変化します。
キオクシア(株)は、高いオン電流と極低オフ電流を両立する酸化物半導体トランジスタを用いた新しいDRAM(OCTRAM:Oxide-Semiconductor Channel Transistor DRAM)技術を開発しました。このOCTRAMは、低いオフ電流という特徴により従来のDRAMよりも低消費電力化が期待されます。本技術は、米国サンフランシスコで開催されているIEEEの電子素子に関する国際会議「IEDM(International Electron Devices Meeting)」にて、2024年12月9日に発表しました。本開発成果は台湾・南亞科技股份有限公司との共同開発にて得られたものです。今回開発したOCTRAM技術を用いることで、AIやポスト5G情報通信システムで利用される、大規模メインメモリが搭載されるサーバーやIoT製品などの幅広いアプリケーションにおいて、低消費電力化を実現する可能性があります。
本賞は、フラッシュメモリおよび関連技術の開発と利用促進において優れたリーダーシップを発揮した個人に対して贈られる賞です。このたび、3次元フラッシュメモリ「BiCS FLASH™」における先駆的な業績が認められ、2024年8月、米国サンタクララにて開催された「FMS」でキオクシア(株)の従業員が「Lifetime Achievement Award」を受賞しました。
キオクシア(株)は2025年3月、中国・深圳で開催された「CFMS 2025」において、進化するクラウドコンピューティングや大規模AIモデルが要求する、効率的で信頼性の高いストレージソリューション向けの3次元フラッシュメモリ「BiCS FLASH™」第8世代の2Tb(テラビット) QLCのダイを搭載した、当社初の大容量122.88TB(テラバイト)のNVMe™ エンタープライズSSD「KIOXIA LC9シリーズ」などのSSDの製品ラインアップを中心に、AIアプリケーションが求める高性能・高効率・高スケーラビリティーに対応した技術、製品群を紹介しました。
また、同社のSSD技師長が「SSD Market Vision and Key Technologies after AI Era」をテーマに講演を行いました。AIアプリケーションにおける需要の増加がフラッシュメモリ技術にもたらす新たな挑戦として、キオクシアの持つ先進的なフラッシュメモリ技術とエンタープライズ市場における豊富な経験を活かした、電力効率、ストレージ密度、パフォーマンス、信頼性の高いフラッシュメモリ・SSD製品を提供し、お客様とのパートナーシップをとおして効率的なAIストレージソリューションを提供していくキオクシアの戦略を説明しました。
TOPIC:知的財産創出の取り組み
キオクシア(株)は、革新的なインテリジェンスを提供する世界的リーディングカンパニーである英国・Clarivate Plcが世界で最も革新的な企業・機関を選出する「Clarivate Top 100グローバル・イノベーター2025」を受賞しました。当社は今回で4年連続の受賞となります。
本アワードは、Clarivate Plcが保有する特許データをもとに同社が独自に知財・特許動向を分析し、世界で最も革新的な企業・機関を選出し表彰するものです。「数量」とともに「影響力」「成功率」「地理的投資」「希少性」を組み合わせた指標で評価されます。
今回は、キオクシア(株)の継続的な知的財産活動の取り組みが評価され、4年連続の受賞となったと考えています。上記指標のうち、キオクシア(株)は「成功率」「地理的投資」において特に高い評価をいただいています。
キオクシアグループは「『記憶』で世界をおもしろくする」というミッションのもと、イノベーションで新しい時代を切り拓くことを目指し、将来のデジタル社会を支える研究・技術開発を推進するとともに、多様な知的財産の保護・有効活用により、メモリ・SSD事業の競争力強化に向けた取り組みを積極的に展開していきます。
キオクシア(株)は、フラッシュメモリやSSDのテクノロジーリーダーとして、最先端の研究開発に取り組んでいます。研究開発の成果を保護するため、知的財産活動を積極的に推進し、2024年12月時点において全世界で14,000件を超える登録特許を保有しています。また、自社の知的財産権を適切に保護し、活用するとともに、第三者の正当な知的財産権を尊重します。
パートナーシップ
お客様をはじめとするパートナーの皆さまと強固な関係を構築し、共に持続的な成長を目指していきます。
パートナーとの共創
キオクシアグループは、社会ニーズを先取りした製品・サービスを実現するため、お客様・研究開発パートナー・調達取引先とのパートナーシップを構築し、これらのパートナーの皆さまとの連携で、シナジーを生み、共に社会に価値を創造していくことを目指しています。
お客様
キオクシアグループは、社会に対して新たな価値を提供する世界各地のお客様のために、常にニーズを先取りし、迅速に課題に対応するべく、グローバルな営業・技術サポート・サプライチェーン体制を構築しています。
研究開発パートナー
キオクシアグループでは、幅広く最先端の知見やアイデアを取り入れ、さらなる製品・技術の進化を実現するため、技術団体や大学、研究機関など国内外の研究開発パートナーと連携しています。
調達取引先
キオクシアグループは、サプライヤーの皆さまとの共創により、高品質な製品を安定的に供給していくとともに、新しい製造技術などを生み出すことで、競争力の強化を図ります。
2024年度の主な活動実績
お客様
2024年度においても、お客様とは、四半期ごとの定期ビジネスレビューなどの機会を通じて対話を継続してきました。お客様の事業拡大に向けて、どのようなサポートができるか、また製品・サービスのみならず、お客様のサプライチェーンの一環としてのサステナビリティ対応も含めたパートナーシップについてのご意見・ご要望をお聞きし、改善に努めています。
研究開発パートナー
サプライヤー
サプライヤーの皆さまとの相互理解
キオクシアグループでは、サプライヤーの皆さまに当社グループの事業戦略をご理解いただき、共に発展を目指すために相互理解の機会を設けています。
例えば、設備メーカーとは定期的に省エネルギー実現や生産性向上に向けた意見交換を行っています。