AI時代における中長期戦略について

経営方針説明会を開催

  • 2025年6月5日
  • キオクシアホールディングス株式会社

キオクシアホールディングス株式会社は、本日、経営方針説明会を行い、AI時代における中長期成長戦略を発表しました。当社は、技術力、生産のスケール、顧客やサプライチェーンの中でのパートナーシップを成長のエンジンとし、データ活用の技術革新を支えるメモリ技術や新たなソリューションを提供し、情報インフラの基幹を担っていきます。

生成AIの普及により、様々なユーザーがAIを活用する「推論システム」で必要となる高性能、大容量SSDの需要増加、スマートフォンやPCにおけるAI搭載比率の増加によりフラッシュメモリ市場の拡大が見込まれ、2029年には市場の約5割がAI関連になると予測されます。特に、AIシステムにおけるSSDは、大量なデータやプログラムをより安全に格納、迅速にシステムに供給することで、AIシステム全体の効率向上に貢献します。

当社はイノベーションによるテクノロジーリーダーシップを堅持し、競争力のあるデバイスを開発し「高性能」「大容量」「低消費電力」など、多様化するストレージへのニーズに応えていきます。

SSDでは、AIシステムのトレンドをサポートする先進的なSSDによる事業拡大を図ります。当社の3次元フラッシュメモリである第8世代のBiCS FLASH™を搭載する最新のSSD製品ラインナップとして、GPUの性能を引き出す高性能、高信頼性が要求されるAIシステム向けの高性能SSD「KIOXIA CM9シリーズ」や、推論に用いる大規模データベース等向けの122TBの大容量SSD「KIOXIA LC9シリーズ」等を展開します。フラッシュメモリ技術と当社が開発するSSDコントローラーおよびファームウェアの融合、エンタープライズ向けの製品展開における知見を活かし、市場シェアの拡大を目指します。 

高性能・大容量SSDやAI搭載のスマートフォンなど向けメモリ製品に採用する第8世代BiCS FLASH™は、CBA技術を導入することで業界トップレベルのインターフェーススピードや電力効率、ビット密度を実現し、生産を拡大しています。さらに、今後も最先端アプリケーションの高度なニーズに対して最適な投資効率を維持しながら、競争力のある製品を開発し、市場に提供する取り組みとして、二軸の開発戦略を推進します。具体的には、積層数を増加させ大容量かつ高性能を実現する第10世代BiCS FLASH™等の製品群、CBA技術の強みを活用し、既存のセル技術と最新のCMOS技術を融合させることで、投資コストを抑えつつ高性能を実現させる第9世代BiCS FLASH™等製品群の二軸で開発・量産を推進します。

また、さらに高速化、高性能化するAI需要に対して、新しいメモリデバイス、メモリソリューションを提案し市場を開拓してまいります。具体的には、高速・低レイテンシーのXL-FLASH(量産中)と新しいコントローラーと組み合わせ、1,000万以上のIOPS(入力・出力アクセス数)を実現するSuper High IOPS SSDを開発し2026年下半期のサンプル出荷を目指します。また、低消費電力のメインメモリが必要とされる市場向けのOCTRAMなどの開発を継続して進めてまいります。

事業運営においては、規律ある設備投資と戦略的なリソース配分により、収益性を着実に向上させます。設備投資は、売上収益比20%以下に規律を保ち、市場動向に合わせ適切に実施します。四日市工場、北上工場において、ビッグデータとAI技術を活用した高い生産性によりコスト競争力のある製品を生産します。また、後工程技術の高度化に対応するために日本国内での後工程の生産拡大を計画します。研究開発費は売上収益比同8-9%を目安に、SSDや次世代メモリの開発に注力していきます。また、人材採用は開発・生産を中心に年間約700名を計画します。

長期財務モデル(2024年11月公表)の通り、GB当たりコストの削減や、SSD製品の販売比率を上げていき営業利益20%台半ばを目指します。また、財務健全性において、Net Debt/EBITDAを中期的にx1.0以下、長期的にはネットキャッシュを達成する目標とし、財務体質の改善に努めます。

当社は、「『記憶』で世界をおもしろくする」のミッションのもと、データ活用社会の基盤であるフラッシュメモリやSSDを提供することで社会に貢献し、持続的な成長を通じて企業価値の向上を目指してまいります。

詳細は当社ウェブサイトに掲載の説明資料(公開済)・映像(後日公開予定)をご覧ください。

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